米国時間6月30日に発表された政府統計によると、米労働省が発表した5月の米求人件数(JOLTS)は市場予想を上回り、約2年ぶりの高水準に近づいた。米国では最近、労働市場が堅調に拡大していることを示すデータが相次いで発表されている。
労働統計局(BLS)の発表によると、5月の求人件数は759万件で、4月の改定値である758万件から微増した。これは2024年下旬以来で最高の水準となる。
ファクトセットがまとめた市場予想では5月の求人数が690万件まで減速すると見られていたが、実際にはこれを大きく上回った。
一方で、採用件数は4月の521万件から517万件へと減少した。また、5月の解雇件数は170万件となり、4月の160万件を上回っている。
米民間雇用サービス会社のADPは7月1日に民間部門の雇用統計を発表する予定だ。また、7月2日にはBLSが失業率などを含むより広範な雇用統計を発表する。ここ数カ月間、小規模企業が民間雇用を牽引しており、5月の民間雇用者数は市場予想を上回る12万2000人増を記録した。
ADPのチーフエコノミストであるネラ・リチャードソンは声明で、企業の採用活動は「ここ数年と比べてより様々な業種に及んでいる」と指摘し、「(雇用市場は)夏の採用シーズンに向けて持続的な勢いを示している」と述べた。市場の予測では、6月の非農業部門雇用者数の伸びは、5月の17万2000人増や4月の17万9000人増、そして3月の21万4000人増を下回り、失業率は4.3%に落ち着くと予測されている。
コンファレンス・ボードが発表した6月の消費者信頼感指数はわずかに上昇した。原油価格の下落が雇用に関する懸念を和らげたことなどが背景にある。一方で、「仕事を得るのが難しい」と回答した消費者の割合は22.5%に急上昇し、2021年1月以来の高水準となった。また、多くの米国民は今後6カ月間の労働市場について「ほとんど変化がない」だろうと予想している。
連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ率は依然として「高水準」だとする一方で、ここ数カ月間の雇用市場は堅調さを維持している。ドナルド・トランプ大統領は5月の雇用データを称賛し、トゥルース・ソーシャルへの投稿の中で、「経済成長は必ずしもインフレを招くわけではない! 成長なくして、どうやって国家の『偉大さ』を達成できるというのか」と語った。一方、雇用者数の伸びは予想を上回ったものの、働く意欲を持つ人の割合を示す労働参加率(働くか、または仕事を探している人の割合)は5月に61.8%まで低下した。これは2021年12月以来の最低水準となる。



