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スタートアップ

2026.07.07 15:00

元テンセントAI責任者が挑む「ワールドモデル」の開発、物理法則を理解する動画AI

stock.adobe.com

「ワールドモデルをスケールさせるにつれて、ますます複雑な物理シナリオをリアルタイムでシミュレーションできるようになります」とリュウは言う。「そうなれば、ワールドモデルはゲームやエンボディドAI(身体性AI:物理的な肉体やロボットに組み込まれたAI)に限定されません。幅広い産業用途に挑めるようになります」

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リュウがワールドモデルの開発を志したきっかけは2024年初頭、OpenAIがSora動画モデルを公開し、AIの看板役がこれを「ワールドシミュレーター」と呼んだことだった。当時、テンセントのディスティングイッシュト・サイエンティスト(同社が精鋭研究者に与える上級称号)として、Hunyuan AIモデルのゼロからの開発を率いていたリュウは、業界の向かう先を見た。

「2024年とはいえ、大規模言語モデルの領域は非常に混雑しており、テック大手がすでにポジションを固めていると感じました」とリュウは語る。「一方でフィジカルAIは、完全に白紙のキャンバスでした。Soraは、たとえ当時は信じられないほど難しく見えたとしても、物理世界がシミュレーション可能だと誰もが確信するきっかけになりました」

リュウは、そのシミュレーションを実現できると確信していた。そして、その確信を裏付ける経歴もあった。コロンビア大学でコンピュータサイエンスと電気工学の博士号を取得し、数学への関心から2007年以降、機械学習の研究に携わってきた。これまでIBMや中国の配車大手Didiで研究職を務め、米国のレンセラー工科大学とスティーブンス工科大学で教鞭を執った経験もある。その後、2016年にテンセントに入社した。

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「リュウ・ウェイは、世界トップクラスの研究能力と深い業界経験を併せ持つ稀有な創業者です」と啓明創投のジョウは語る。「AIにおいて、私が最も信頼する技術専門家の1人であり続けています。AIモデルに大きなブレークスルーがあるたび、私は早い段階で彼の見解を求めることが多かった。テクノロジー業界の多くの幹部も同じだったことを私は知っています」

フィジカルAIにおける好機を見いだしたリュウは、2024年9月、好待遇だったテンセントでの職を離れ、Video Rebirthを立ち上げた。会社づくりにあたり、テンセントAIラボ元ディレクターのルー・ディフ、JPモルガン・チェースの元クオンツ開発者であるリュウ・ポン、そしてアブダビ支援のAI企業G42の投資ファンド「42X Fund」で以前ディレクターを務めていたダン・コンを含む共同創業チームを編成した。

2003年に設計図を示す学術論文が出た初期のブレイクスルーを経て、大規模言語モデルが主流に到達するまでに20年以上かかったが、リュウはワールドモデルの大衆化への道のりはさらに長くなると予測する。今後12カ月は主に、研究室内での技術的ブレークスルーに焦点が当たると見ている。

それでも、リュウはタイムラインにひるまない。「商業的に成立するワールドモデルを構築し切るまで、私は研究開発(R&D)に絶対的で、揺るぎないエネルギーのすべてを注ぎ込みます」と彼は宣言する。「その日は間違いなく来ます」

forbes.com 原文

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