「1997年に始まったフジロックフェスティバルの長い歴史に対する敬意と、苗場の自然に囲まれた唯一無二の環境に対する関心の高まりが背景にあると思います。都市型フェスとは異なる、どこかノスタルジックで魔法のような空気感は、日本の音楽ファンだけでなく海外のリスナーも魅了しています。世界的に日本文化や観光への関心が高まるなかで、フジロックは日本らしい完成度の高さと本物感が味わえるイベントとしても認識されています」
フォーケード氏は日本の音楽が世界へ輸出される現状について、日本のアニメ文化が海外の若い世代にも定着したことで、「新たなフェーズ」に入っているのだと指摘する。
「欧米やラテンアメリカの若者の間で日本文化への関心がかつてないほどに高まっています。これまではRADWIMPSやCreepy Nutsのようなアーティストが(人気アニメ作品の主題歌を担当したことから)アニメ文化を牽引役として世界中で新たなファンを獲得してきました。さらに、ここ数年で大きな変化が起きています。それは、日本独自のカルチャーの『本質』を失うことなく、海外のカルチャーに翻訳され、ありのままに受け入れられる日本のアーティストと作品が増えています」
「例えばVaundyはR&Bやポップス、ロックなど多様な音楽のジャンルから影響を受けているアーティストと言われていますが、その音楽性はありのままに『Vaundyの作品』として多くのファンに愛されています。藤井風は米国やインドなど海外でも数多くのフェスに参加し、その見事な存在感が観客を魅了しています。5年前にはなかったことですが、私の母国であるフランスや、米国に住む親戚の家族も、今では日本のアーティストの名前を日常的に口にするようになりました。Amazon Musicは今後もプレイリストの拡充やライブ配信を通じて、この大きなうねりを力強く後押ししたいと考えています」(フォーケード氏)
竹林氏も、コンテンツ配信サービスやSNSの普及が音楽市場の構造に大きな変化をもたらしたと強調する。Amazon Musicによるフジロックフェスティバルのライブ配信は、日本のアーティストが海外の視聴者に発見される入り口としての役割も担っている。
「かつては日本国内で一歩ずつ、メディアとも連携しながら着実に成熟するアーティストが大半でした。しかし現在では、アーティストが自らメディアとなり、戦略的にSNSやショート動画で発信することで、リリース前から国内外を問わず多くのファンを獲得できる機会が広がっています。そして今年のフジロックフェスティバルのライブ配信もまた、Amazon Musicというグローバルプラットフォームを足がかりにして、日本のアーティストが世界に羽ばたくきっかけになれば本望です」(竹林氏)


