ウクライナで従軍した元米特殊部隊員のマシュー(安全上の理由から姓を伏せるように求めた)は、そこで過ごした時間の大半を固定翼ドローン(無人機)能力の開発支援に費やした。
2023年前半まで続いたウクライナ東部ドネツク州バフムートをめぐる攻防戦の最終盤、マシューが夜、暗視ゴーグルを着けたまま仰向けになって上空を見つめていると、何機かのドローンが高高度を飛んでいくのが見えた。
「無線で連絡を入れましたが、どれも味方のものではありませんでした」と彼は回想する。
マシューにとって、これは戦場が急速に変化していることを見せつけられた体験だった。目撃したドローンは単に監視しているのではなかった。それらは砲兵射撃の誘導もしていた。狙撃兵はかつては、敵の兵士から身を隠せばよかった。いまでは、むしろドローンに見つからないようにする必要がある。
情報・監視・偵察(ISR)ドローンは、戦場を俯瞰する視点を小規模部隊に与え、敵の動きの探知や射撃地点の特定、攻撃の誘導をほぼリアルタイムで行えるようにしている。一方、攻撃ドローンは、かつてははるかに高価な兵器システムでなければ実現できなかったような精密な火力をもたらしている。
とはいえ、ドローン自体は話の一部にすぎない。
迅速な適応
ウクライナで戦いに参加した人を含め、多くの元軍人らが引き出した教訓は、単にドローンが重要だということではない。それは、迅速に適応できる組織は、そうできない組織に対して決定的な優位性を持つということだ。
ウクライナ特殊作戦軍とともに戦った元米陸軍特殊部隊員(グリーンベレー)のブライアン・ピケンズは、これはドローンに限った話ではないと考えている。
「戦争での能力は、技術の進歩と、実戦を踏まえた十分な訓練とが組み合わさって初めて向上するものです」とピケンズは筆者に述べた。「どんなアイデアや技術も、訓練が行われなければ意味がないのです」
ウクライナ軍のドローン依存は、2023年後半から2024年初めに激戦が交わされたドネツク州アウジーウカをめぐる攻防戦のさなかに加速した。当時、米国の新たな軍事援助が連邦議会で滞るなか、ウクライナ軍は砲弾が枯渇し、従来の火力を補う手段としてFPV(一人称視点)ドローンを頼みにせざるを得なくなった。



