米国時間6月25日、中国最大級のオンライン旅行代理店Trip.com(トリップドットコム)グループの株式は、ナスダックで12.6%急落した。これは、同社が第1四半期に利益が40%減少したと発表したことを受けたものだ。また同社は、2026年第2四半期の売上高の伸びが鈍化すると明らかにした。年初に発表された政府による独占禁止調査の結果を予測することはできないと警告した。米国での株価下落は、同日早い時間帯に香港上場株が約11%急落したことに続く動きとなった。
2026年第1四半期の同社純利益は、前年同期の43億元(約989億円)から減少し、25億元(約575億円。1元=23円換算)に落ち込んだ。売上高は前年同期比17%増の24億ドル(約3864億円。1ドル=161円換算)となった。2026年第2四半期の売上高成長率は、前年同期比で「約3〜8%」に鈍化すると予測した。
「成長ペースの鈍化は、利益率と最終損益に相応の影響を与えると予想される」とTrip.comは述べた。「これはエネルギー価格の高止まりや地政学的な不安定さといったマクロ経済の逆風による直接的・間接的な影響に加え、進化する業界基準やコンプライアンス体制に適合するために当社が実施した事業上の調整を反映したものである」。
Trip.comの株価は、2026年初めに中国国家市場監督管理総局(SAMR)による調査を受けていると発表して以来、約半分に下落している。「2026年1月、当社は国家市場監督管理総局から調査開始の通知を受けた。これは当社が中華人民共和国独占禁止法に基づき、市場における支配的地位を濫用して独占的行為を行っていたか、または行っているかについての調査である」とTrip.comは6月24日の声明で述べた。
「多額の制裁金」の可能性
「本プレスリリースの日付時点で、当社はSAMRの進行中の調査に全面的に協力しており、補足情報や文書を積極的に提供するとともに、規制要件の遵守についてSAMRと建設的な対話を続けていく。当社は現時点で調査の時期、結果、影響、またはそれに伴う損失の可能性を予測することはできないが、今後も動向を注視していく」とTrip.comは続けた。
「SAMRの調査結果は、多額の罰金、その他の金銭的制裁、および/または当社の事業慣行の変更に直接つながる可能性があり、当社の連結財政状態、経営成績、またはキャッシュフローに重大な悪影響を及ぼす可能性がある」と説明した。
Trip.comは1999年に設立され、2003年にナスダック、2021年に香港証券取引所に上場した。傘下にはCtripやQunar、Trip.com、Skyscannerといったブランドを抱える。
今回の株価急落後も、時価総額は240億ドル(約3.86兆円)以上あり、世界で最も価値の高い旅行会社の1つである。エクスペディア(300億ドル[約4.83兆円])に匹敵するが、ブッキング(1370億ドル[約22.06兆円])やAirbnb(840億ドル[約13.52兆円)])には及ばない。同社CEOのジェーン・サン(孫潔)は、ビジネス界で最も成功した女性の1人としても知られている。フォーブスのMidas Listメンバーであるニール・シェン(沈南鵬)が取締役を務めている。
宿泊予約は明るい材料
第1四半期において、宿泊予約は前年同期比17%増の9億4400万ドル(約1519億8400万円)となり、事業の明るい材料となった。交通機関のチケット予約は前年同期比12%増の8億7700万ドル(約1411億9700万円)だった。
Trip.comは2026年初め、共同創業者のミン・ファン(范敏)が取締役および社長の職を辞任したことも発表した。社長職は2009年2月から務めていた。もう1人の共同創業者であるチー・ジー(季琦)も、会社設立以来務めてきた取締役を辞任した。



