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政治

2026.06.30 08:00

法の抜け穴を悪用するロシアと中国の「影の船団」、世界の貿易や通信を妨害

仏南部マルセイユ近郊に停泊する石油タンカー「グリンチ号」。同船舶はロシアの影の船団への所属が疑われている。2026年1月26日撮影(Denis Thaust/SOPA Images/LightRocket via Getty Images)

ロシアと中国は、法の抜け穴を戦略的かつ意図的に利用する「ローフェア」を展開し、法を順守する国々が影の船団を阻止しようとする試みを妨害している。根本的な問題は、違法行為が発生した場所と執行権限がある場所との間に隔たりがあることであり、被害国やケーブル所有者は調査や訴追の手段がほとんどない状況に置かれている。

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海底ケーブルの保護に関する国際条約の制定は1884年にさかのぼるが、これはインターネットが普及するよりはるか前の時代だ。国連海洋法条約は海底ケーブルの保護に関して、各国に自国の領海内でのみ法執行権限を与えている。領海外で海底ケーブル切断が発生した場合、訴追権限は船舶の船籍国にある。多くの国は船舶が掲げる「便宜置籍」を販売しているが、その船舶が犯した犯罪を起訴する意思や能力を欠いている。

拘束を逃れるため、影の船団の船舶はケーブル敷設地点を通過した後にAISを無効化したり、国際水域に停泊して立ち入り検査を免れたりするといった戦術を用いている。影の船団は軍艦による護衛を利用する場合もある。国連は、ロシアと中国が安全保障理事会の常任理事国であることから、海底ケーブル切断の脅威に対処する意欲を欠いている。

海底ケーブルを取り巻く法的枠組みは、民間企業の関与によっても複雑化している。米グーグルや米メタのような巨大IT企業は世界中で約60本の海底ケーブルを所有しているが、損害に対するこれらの企業の責任や、敵対勢力から海底ケーブルを保護する各国の責任については、法律上不明確な点が多い。

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各国は影の船団にどう対処すべきか

法を順守する国々は、影の船団による挑発行為に迅速に対応できるよう、共通の法的枠組みを構築すべきだ。その第一歩として、立ち入り検査制度に関する国際法について共通の理解を深めることが挙げられる。

ある国家がAISを操作したり、船名や船旗を変更したりしている場合、その船舶が無国籍であると疑うに足る十分な根拠となる。国連海洋法条約第110条によれば、無国籍船舶はどの国にも属さないため、いかなる国の軍艦も臨検権を行使して船内に乗り込み、書類を確認することができる。軍艦を派遣した国は、船舶が主張する旗国に対してその旗を確認することで、立ち入り検査された船舶が無国籍であることを最終的に判断しなければならない。船舶が無国籍であると判明した場合、差し押さえの対象となり、積荷を正当な買い手に合法的に処分することが可能となる。

デンマーク、オーストラリア、ニュージーランドは、EEZ内で沿岸警備隊に即時の法執行権限を与えるため、ケーブル安全区域に関する法律を制定した。国連海洋法条約第56条と第60条は、EEZにおける国家の主権を保護するために限定され、航行の自由を制限しない場合に限り、このような法律の制定を認めている。安全区域に関する法律は各国が国内法として制定する必要があるが、法制度の断片化や権限の空白が生じないよう、各国は連携を図るべきだ。一部の専門家からは、ケーブル安全区域に関する法律によって、中国が南シナ海で欧州船籍の船舶に対して報復措置を取るリスクが生じるのではないかと懸念する声も上がっている。だが、中国は既に南シナ海のほぼ全域に対して法執行管轄権を主張しているため、追加的なリスクが生じる可能性は低い。

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翻訳・編集=安藤清香

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