さらに、参政党は国政に進出してからだいぶ丸くなりました。参議院に進出したポピュリストは、その後現実主義化する傾向があります。メディアの批判に対応したり、世論の厳しい目に晒されたり、他党と連携したりする中で、段々と穏健化していく。最近、中道改革連合の小川淳也氏と参政党の神谷氏が握手をして炎上していましたが、一度国政に入ると他党と付き合いが生まれます。その中で有権者は、これまで悪魔に見えていた政治家が「意外と普通の人だ」と気づくようになるのです。
さらに、議会質問は「陰謀論」ではできないので、その点でも国政進出すると現実主義化します。参議院事務局の人たちに聞き取り調査をしたのですが、れいわ新選組は最初、数字に基づかず政策を主張していたものの、議会事務局のサポートによって徐々にデータに基づく議論をするようになったそうです (詳細は『議会制民主主義研究』第3号への寄稿論文を参照) 。
また、参議院の法制局が「憲法にちゃんと適合しているか」というアドバイスもします。参政党は、以前掲げていた「創憲」のような主張を最近全然しなくなっていますよね。あのような「創憲」案では、憲法審査会に立てないわけです。
さらに有権者の側を見ても、参院選時には参政党支持者が盛り上がっていたのに、その後の2026年衆院選時にはおそらく飽きていたというか、冷静になっていた部分があります。1〜2年ほど経つと、当初の熱気は冷めるのです。さらにその間、政党を客観的に評価するための材料が提供され、政権選択選挙の衆院選時にはより合理的な判断ができるようになります。そういう意味で、衆院選の前に参院選を挟むというのは、民主主義の安定に資する仕組みだと考えています。
もう1つ補足なのですが、参議院は参政党や国民民主党のようなポピュリストを取り込む機能を持っている一方、逆に小泉純一郎や日本維新の会のような「衆議院で議席を取れる大規模なポピュリスト」は抑制する役割を果たします。
例えば、小泉首相が推進した郵政民営化法案は参議院で否決されました。橋下徹の維新も、国政では参議院民主党と対立して、結局民主党と完全には合流できませんでした。下野した後の民主党は衆議院議員が激減したことで、参議院議員の比率が多くなり、労組色が強い参議院民主党に引きずられる形で党全体が左傾化しました。当時は輿石東さんという日教組系のドンがいたのですが、維新は「反労組」ですから、そこがネックとなって民進党結党時に合流できず、結果として維新は国政で伸びませんでした。


