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経済・社会

2026.06.30 14:45

日本のポピュリズムは抑制されているのか? 参政党が果たした意外な役割

ジアコモ・バグナラ=イラストレーション

一方、日本で欧米のようなポピュリズムが最近まで見られなかったのは、グローバル化や移民受け入れが相対的に遅れていたためです。それと製造業がトヨタなど自動車産業を筆頭にまだ強いことも要因です。

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しかし、少子化の進行で外国人労働者や観光客を受け入れていった結果、いよいよ参政党の台頭で欧米並みになったわけです。また産業構造を見ても、野球チームのオーナー企業がソフトバンクや楽天、DeNAなど、IT企業が増えている通り、徐々にITシフトが進んでいます。特に近年は半導体やAIバブルもあって、欧米と近い産業構造になりつつあります。そういう意味でも経済格差の拡大は今後心配です。株価高騰から恩恵を受ける層とそうでない層の格差も大きい。

また、日本で長らく右派ポピュリズムが出てこなかったその他の要因としては、自民党が国際的にみて「極右」だという、身も蓋もない理由もあると思います。自民党政権は経済移民はまだしも、難民をほとんど受け入れていないわけです。経済移民は「技能実習生」という名の下、移民なのに移民じゃないと言い張り受け入れてきましたが、とうとうその矛盾が明るみに出たというところだと思います。ドイツが戦後、移民を「ガストアルバイター(ゲスト労働者) と呼んで、問題を直視しなかったのと同様の事態が起きています。

もちろん移民排斥は絶対にいけませんけど、日本語教育支援などの移民政策、あるいは一連の法整備を進めるきっかけになった点で、参政党の台頭を私はポジティブに見ています。ポリコレを無視して問題提起をしてくれる「必要悪」という捉え方です。ポピュリズムの効用の一つでもあります。

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経済学101 : かつては自民党自身が「反自民党」を掲げる動きもあったように、自民党は一種の「鵺(ぬえ)」のような政党ですので、ポピュリズム的な挑戦を受けてもそれを取り込んでしまう、という性質を持っています。例えば参政党が一時期あれだけ盛り上がっていたのに、あっという間に今下火になってしまっているのも、自民党のそうしたアプローチが機能しているからだと言えます。

高宮: そうですね。まさに自民党はエリートではないので、反エリート的な動きも吸収できてしまう。2025年参院選における参政党支持者は、いま高市早苗首相を支持しているでしょう。
高市氏は神戸大学を出ていて高学歴ではありますが、家庭環境などをみても、立身出世した「地方女子」であり、苦労人です。ポピュリストが批判する、いわゆる「親ガチャ」成功の都会的エリートではありません。マイケル・サンデルの『実力も運のうち』(早川書房、2023年) に書かれている通り、アメリカやヨーロッパで批判の対象になっている高学歴エリートは、親の代、場合によっては祖父やその前の代からエリートなんです。高市さんはいわゆる非世襲ですし、叩き上げです。だからこそ、参政党を支持するような人たちであっても、彼女のことは認めるという側面があるのではないでしょうか。

今のネット空間で一番叩かれるのは、親が金持ちだったりして、苦労もしていないのにぽっと出てきた恵まれた人たちですよね。どの業界でもそうです。高市さんにはそうした要素がないからこそ、受け入れられている。そうした背景は確実にあると思います。

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青野浩=インタビュー

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