【重要】会員機能一時停止とサイトメンテナンスのお知らせ

経済・社会

2026.06.30 14:45

日本のポピュリズムは抑制されているのか? 参政党が果たした意外な役割

ジアコモ・バグナラ=イラストレーション

経済学101 : 憲法改正が実施される可能性が最近浮上していますが、参議院との関係ではどうでしょうか?

advertisement

高宮:自民党が憲法改正の発議をする際、衆議院側は「緊急事態条項」を入れたがっていますが、憲法にはすでに参議院の「緊急集会」の規程があるため、参議院側は反対しています。一方、参議院側には「合区解消」をやりたいというニーズがあります。もしかしたら憲法改正の文脈で、参議院が台風の目になるかもしれません。

しかし、参議院のあり方を一般国民の判断に委ねすぎるのは危険だと考えています。「一般市民から距離を置く」のが二院制の趣旨です。元は貴族院ですから。特に合区解消に関しては、大都市圏の人が賛成しないと実施されないわけですが、都市民にしてみれば、合区は解消しないほうが(定数の比率として)自分たちの代表が増えるので都合がいいわけです。民主主義の限界としてよく挙げられる「多数者の専制」の問題がここで生じます。

参議院は憲法にしっかり書き込まれている数少ない政治機構です。先ほど紹介したマッケルウェイン先生の研究によると、日本は憲法に統治機構の記載が少ないため、これまで憲法改正をせずに済んできた面があるそうです。しかし、参議院に関しては非常に細かく規定されているので、憲法を改正しないといけない。

advertisement

経済学101 : 合区を解消すると、大都市圏の有権者の影響力が減るということですか。

高宮:そうです。例えば、鳥取・島根、徳島・高知を再び「一県一区」に戻すと、相対的な比率として東京の議席配分率は減りますよね。つまり過疎地の議員を増やすことになるわけです。
自民党が想定しているのは、憲法に参議院は各県最低一人は出すように書き込んで、鳥取・島根、高知・徳島の合区を解消し、アメリカの上院議員とまではいかないまでも、「都道府県代表」を作りだすことです。もし現行憲法のまま、合区を解消しようとしたら、東京の議員数を何倍にも増やさないといけなくなります。だからこそ憲法改正をした方が早くて、私は方向性としては憲法改正に賛成なんです。

経済学101 : あと「ねじれは良くない」という意見から、憲法改正による一院制導入も浮上する可能性がありますね。

高宮:昔からある議論です。ちなみにポピュリズム政党は一院制を好む傾向があります。スピード感を持って物事を決めたいのがポピュリストですから。そういう意味で、ポピュリストかの判定に一院制への賛否が使えます。 

一院制を掲げる政党といえば、まず日本維新の会が挙げられます。他には、希望の党幹部の若狭勝氏は「一院制実現が一丁目一番地」と言っていました。希望の党の小池百合子さんをポピュリストと呼ぶかどうかは諸説ありますが、知事になった最初の選挙で、「反自民」を掲げ、メディアを上手く使いました。あと日本保守党の百田さんも「参議院はいらない」と言っています。ご本人は参議院議員なのですが 。

次ページ > 参議院の将来を国民に委ねるのは、参議院改革における大きなジレンマ

青野浩=インタビュー

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事