これらの謎マナーは、なぜやめられないのか。その理由を尋ねると、「周りの目が気になる」、「当たり前になっている」といった回答が多かった。また、自分だけやめると浮いてしまう、変な目で見られるので不本意ながら足並みを揃えるという意見が聞かれた。目上の人がやめないからやめにくい、会社のルールだから従わざるをえないという人もいる。

厄介なのは「気にする人がいる」という理由だ。お菓子を楽しみにしている人がいて、やめようとは言えないなど、情が絡んでくるとやりづらい。
メールやチャットでの不必要な挨拶は、効率的なコミュニケーションを阻害する。過剰な挨拶も、それがどれだけ業務の役に立っているかを考える必要があるだろう。お土産やお菓子を配る習慣は微笑ましく感じられるが、半ば強制化されているとしたら困りものだ。休暇は当然の権利なのに、「悪いこと」として位置づけられている会社もある。
人事コンサルタントで転職支援サービスUnitas(ユニタス)の代表取締役、細川晃男氏は、職場の謎マナーをやめられない理由で「周囲の目」が最多となり、「当たり前になっている」が続いた点が、謎マナーが合理性ではなく同調圧力や職場の空気によって維持されていることを示す結果だと指摘している。
こうした状況を改善するには、従業員が違和感を安心して口に出せる環境を整え、その声を組織改善につながる前向きな意見として受け止める姿勢が重要だと話す。「そうした積み重ねが、形式偏重の文化を見直す第一歩になる」とのことだ。


