【重要】会員機能一時停止とサイトメンテナンスのお知らせ

起業家

2026.07.02 16:30

「非営利スタートアップ・エコシステム」構築へ。SoiL久田哲史の次の挑戦とは

久田哲史|公益財団法人Soil代表理事

久田哲史|公益財団法人Soil代表理事

Forbes JAPAN 2026年8月号の第3特集は、日本でも新たな動きが起きているフィランソロピーに注目した「『インパクトフィランソロピー』時代」特集。今、世界、日本で起きているフィランソロピー新潮流では何が起きているのか。これまでも特集をしてきた、日本で起きている「起業家×フィランソロピー」の新たな動きにも探る特集だ。

起業家の新たなフィランソロピーのカタチを開拓してきた久田哲史が描いている現在、そして今後の取り組みとは。


「僕らの介在価値は非営利スタートアップの起業直後の支援にあることがわかってきた。ほかの人がやらない、ゼロイチのところの資金提供、メンタリングのほうがインパクトがありますから」

Speee取締役ファウンダー、Datachain代表取締役CEOの久田哲史が「儲からないけど、意義がある社会課題解決の活動を行う『非営利スタートアップのインキュベーター・アクセラレーター』」として、公益財団法人Soilを設立したのは2023年。これまでに約70団体・個人に対して、総額2億円の助成を行ってきた。

特筆すべきはそのアプローチだ。ひとつは、東京大学、京都大学、共助資本主義の実現に向けた大学連合と連携し、学生起業家を支援。同プロジェクトは、2日間にわたり社会起業家の講義やワークショップを行い、社会課題解決のためのプランを策定し、最終審査会で支援が決まる。これまでに採択された30人の起業家には最大100万円の助成金と3カ月間のメンタリングを提供。久田は社会課題への関心が芽生える初期段階にある学生に対し、早い段階から「事業として社会に実装する視点」を届けられる重要な接点だと考えている。

ふたつ目は、神戸市など自治体との連携だ。資金助成に加え、同市でのPoC(実証実験)を支援した。「実証実験の実績を積めることが支援先の社会起業家にとって大きな一歩となった」(久田)。最後は、三菱UFJフィナンシャル・グループとの連携だ。これらの連携の拡大、強化をしながら、非営利スタートアップ支援のエコシステムを着実に広げている。

「今後は新たなカタチでの連携や連携の横展開をしていく。起業家として感じるのはブルーオーシャンだということだ」

久田が今後取り組もうとしているのが、起業家フィランソロピーのコミュニティ形成だ。アイデアとしてあるのは、ビル・ゲイツやウォーレン・バフェットが開始した資産の半分以上を慈善活動に寄付することを約束する誓約プロジェクト「ギビング・プレッジ」のミニュチュア版だ。

「設立当初から資金の出し手が構造的に少ない非営利スタートアップにおける課題解決として、スタートアップ・エコシステムのような新しいエコシステム構築を掲げている。次のアプローチとして、起業家の『寄付の一歩目』を支援することが重要だと思っている」


久田哲史◎Datachain代表取締役CEO、Speee取締役ファウンダー、公益財団法人Soil代表理事。大学在学中にSpeeeを創業し、2011年代表交代。18年Datachainを設立。20年にSpeee上場。23年、Soil設立。

文=山本智之 写真=ヤン・ブース

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事