【重要】会員機能一時停止とサイトメンテナンスのお知らせ

リーダーシップ

2026.06.29 14:30

部下に責任を求められないリーダーたち——その恐怖の正体と克服法

stock.adobe.com

stock.adobe.com

どんな組織にもいる。誰もが腫れ物に触るように扱う慢性的な低パフォーマー。守られない約束が放置される同僚。壁に掲げた価値観のすべてに反する振る舞いをする同僚。そして、それらを取り巻く沈黙。

ジャスティン・ヘイルは、その沈黙を破ることを、巧みに、人間味を失わず、しかも長期的な成果につなげる形で、リーダーたちに教える仕事をキャリアとしてきた。

ヘイルは、研究に根差したリーダーシップ開発企業Crucial Learningのマスタートレーナーであり著者でもある。同社は、世界で最も広く使われているコミュニケーション研修カリキュラムのいくつかを提供している。ヘイルはジョセフ・グレニーと共著で、『Crucial Accountability: Proven Skills to Build Trust, Address Disappointment, and Get Results』(信頼を築き、失望に向き合い、成果を得るための実証済みスキル)を執筆した。本書は、かつて『Crucial Confrontations』として知られた画期的著作の改訂・増補版である。人がなぜ他者に責任を求められないのか、そしてその失敗が最終的に何を代償としてもたらすのかについて、数十年にわたる研究をもとにしている。ヘイルは、フォーチュン500企業、政府機関、非営利組織のリーダーたちに対し、多くの人が膨大なエネルギーを費やして避けようとする会話を、いかに行うかを教えてきた。

『Crucial Confrontations』から『Crucial Accountability』へのタイトル変更は、見た目を整えるためではなかった。「私たちは10年かけて、あのタイトルで"意図していないこと"と"意図していること"の対比を試みてきました」と彼は言う。「本当に言いたいのは、相手が約束を守らなかったその瞬間に、責任を求めるということです」。新しいタイトルによって「ほとんど質問されなくなりました。アカウンタビリティという言葉は至るところにあるので、まさにホットボタン(敏感な論点)になるのです」。

ではなぜ多くのリーダーは、別の場面では権限を行使することに抵抗がないにもかかわらず、特定の1人に責任を求める段になると固まってしまうのか。原因は恐怖だとヘイルは言う。漠然とした居心地の悪さではなく、深く、身動きが取れなくなるような恐怖である。「ミスや失敗に関して、私たちは対立を心底恐れています。相手の防御的反応が怖い。報復が怖い。だから、こうした瞬間に最もよく見られる反応は、ただ避けることです。何かがうまくいかないかもしれないという恐怖が、最初に持っていたはずの勇気を上回ってしまうのです」

その結果は、静かに積み重なっていく。「『そのうち何とかなるだろう』と思うのです」とヘイルは言う。「問題をうやむやにして、放置して、成長させ、悪化させてしまう。そして現場で向き合う頃には、2年、3年、場合によっては10年続いていたりする」。石油リグや病院のような重大なリスクを抱える環境でも、このパターンは変わらない。「パフォーマンス問題やミスにまつわる沈黙の蔓延は、ITの現場やレストラン、家庭と同じくらい、極めてハイステークスな環境でも一般的だ」

ヘイルは、沈黙は決して中立ではないと主張する。「許すことは、促進することです」。これは彼の同僚が長年教えてきた原則でもある。「何も言わないということは、実質的に『これは問題ない。許容する』というメッセージを送っているのです」。さらに悪いことに、そのメッセージは当人だけにとどまらない。「周囲の全員に対して、『あなたは基準に照らして人を扱わない』というメッセージを送ることになる。アカウンタビリティがなく、基準もない組織で働きたい人はいません」。結果として起きるのは人材流出だ。「人は、そういう環境にいたくないから辞めます」

アカウンタビリティのギャップ、つまり期待と成果の間の隔たりは、多くの場合リーダーから始まるとヘイルは言う。「リーダーが誰かに課題やコミットメント、仕事やプロジェクトを任せるとき、期待について過度に曖昧になることは非常によくあります。たとえば『次の四半期はマーケティングともっと協働してほしい』などと言う。社員はうなずき、マネジャーは満足する。『見てくれ、私はコーチングしている』と。そしてその瞬間、社員がその場を離れた時点でギャップが始まるのです」

ギャップが生まれた後、リーダーが会話にどう入るかが、ほぼすべてを決める。ヘイルは冒頭の瞬間を「危険な30秒」と呼ぶ。

「この会話にリーダーが持ち込む感情的な態度が、その後の展開を予測します」と彼は言う。「なぜ相手が失敗したのかについての仮定が、感情のトーンを決める。もし『怠けているからだ』『利己的だからだ』『気にしていないからだ』と判断すれば、否定的な感情、断罪の感情、嫌悪の感情が生まれます。そうした感情を責任追及の話し合いに持ち込むと、結果は1つしかありません。防御です」

その解毒剤は、ヘイルが言うところの「嫌悪に基づく確信」ではなく「覚悟を伴う好奇心」である。彼が好む診断の問いはこうだ。合理的で理性的で、まともな人が、なぜこんな失敗をする可能性があるのか。

「嫌悪に基づく確信に閉じ込められると、相手を合理的で理性的だとは見られません。悪役として見てしまうのです」

さらにヘイルは、現代的な落とし穴も指摘する。難しい会話の準備にAIを使い、逆効果になるケースが増えているという。2025年のスタンフォード大学の研究を引き合いに、対人関係の対立の助けとしてAIに相談する人は誤った方向に導かれうるとヘイルは言う。「AIは人のストーリーを正当化し、AIを使う前よりも『自分が正しい』と感じさせる傾向があります。嫌悪に基づく確信を自己正当化するための、最悪のエコーチェンバーです」

同じ問題について会話を重ねても前に進まないとき、ヘイルはCPRという診断ツールを勧める。Content(内容)、Pattern(パターン)、Relationship(関係性)である。「CPRに関してリーダーが犯す最大の誤りは、パターンについて話すべきときに内容について話してしまうことです」と彼は言う。もし同僚が4回締め切りを守らず、あなたが4回目だけを取り上げれば、彼女はその単一のエピソードを説明して済ませることができるし、実際そうするだろう。「彼女がしたのは、あなたを内容に引き戻すことでした。直近の出来事に引き戻し、『ああ、これで大丈夫だ』と感じさせた。では何が起きるでしょうか。おそらく、またこの会話に戻ってくることになります」

会話に入ったら、目標は勝利ではなくつながりだとヘイルは言い切る。「こうした会話であなたの最初の仕事は、相手が心理的安全性を感じられるようにすることです。それは快適という意味ではありません。正直にやり取りでき、報復を恐れなくてよいと感じられるということです。人は安全だと感じると真実を受け入れます。そして真実を受け入れると、自分の悪い行動によって影響を受けた人への共感を持ち始めます」。彼は共著者の鋭い指摘も引用する。「人は真実を恐れているのではない。恥を恐れているのだ」

前任者が残したアカウンタビリティのギャップを引き継いだリーダーへの助言はこうだ。取り締まる前に、合意を結び直すこと。「いきなり現れて、最初から全開でやるのは適切ではありません。その代わりに期待を言い直し、『過去に何があったとしても、私はこれを期待している』と伝える」。その後で初めて、責任を求めるのだという。

数十年の研究を経ても、頑として変わらないことが1つあるとヘイルは言う。それは、人が声を上げるかどうかを決めるときに行う計算だ。

「私たちは声を上げることの短期的なコストを強調しがちです。一方で、声を上げないことの長期的なコストは軽視されるか、そもそも計算に入れられないことが多い」。今日の不快を避ける代わりに、明日もっと大きな損害を被る。信頼、文化、安全に対する損害だ。これこそが、アカウンタビリティにおける中心的な人間の課題であり続けている。それに対処するためのツールは、これまでになく手に取りやすくなった。いま必要なのは、それを使う勇気である。

リーダーシップは、すべてがうまくいっている瞬間に測られるものではない。何かがうまくいかなかったときに、何をどう言うかで測られる。

forbes.com 原文

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事