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リーダーシップ

2026.06.29 14:10

「まだ機能していないAI」のために従業員を切り捨てる企業たち

stock.adobe.com

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Cloudflareは5月に1100人の従業員を削減し、これをAI戦略と呼んだ。同じ日、同社は四半期売上高が過去最高の6億3980万ドルに達したと発表した。Metaは純利益268億ドルを計上しながら8000人を削減。Blockは総利益120億ドル近くを見込みながら、「AIへの再集中」を理由に従業員の40%を削減した。

これらは苦境にある企業が苦渋の決断をしているのではない。世界でも屈指の高収益企業が、業績のピークで人員を削り、解雇された人々を置き換えられることがまだ証明されていない人工知能インフラに資金を投じているのである。

2026年の最初の5カ月間で、テクノロジーセクターでは14万2000人以上の雇用が失われ、年末までに約37万人に達するペースとなっている。Amazon、Microsoft、Alphabet、Metaといったハイパースケーラー各社は今年、AIインフラに約7000億ドルを投じると表明しており、これは2025年の支出のほぼ2倍だ。その資金はどこかから調達しなければならない。現在、それは人件費から捻出されている。

2026年にリーダー、働く人、投資家の誰もが懸念すべき問いは、企業がAIに投資しているかどうかではない。企業が人員を削っているのが、AIが「今日」実際にできることに基づいてなのか、それとも「いずれ」できるようになると期待することに基づいてなのか、という点である。

AIをめぐる物語と事業成果の拡大する乖離

このパターンは見逃しようがない。Cloudflareは前年同期比34%の売上増を報告し、同じ決算説明会で1100人の解雇を発表した。Metaの第1四半期純利益268億ドルも、8000人の削減を止めることはなかった。Blockは総利益約120億ドルを見込みながら、「AIへの再集中」のために従業員の40%を削減した。いずれのケースでも、解雇は業績不振への対応ではなく、財務的に強固な立場から行われた戦略的な賭けだった。

しかし、発表の向こう側に目を向けると、データが示すのは別の現実である。

2026年5月のGartnerの調査は、年間売上高10億ドル以上の企業の経営幹部350人を対象に実施された。AIの試験導入または本格導入を行っている組織のうち、約80%が従業員を削減していた。重要な発見は、それがより良いリターンとは相関していなかったということだ。従業員を削減した企業は、削減しなかった企業と同じ財務成果を得ていた。

実際にAIで高いリターンを得ていた組織は、別のことをしていた。役割をなくすのではなく再設計し、労働者を削るのではなく訓練し、AIシステムを管理・監督するために特化した新たなポジションをつくっていたのである。Gartnerはこれを「人材増幅(people amplification)」と呼び、AI戦略としては人員削減を一貫して上回る成果を示している。

これには実務上の理由がある。AIが適切に機能するには、組織に蓄積された知識が必要だ。事業、顧客、そして意思決定の背景にある文脈を理解する人が欠かせない。企業がそうした人々を切り捨てると、AIが彼らなしでは動かないことに気づく場合が多い。すでに、自動化が担えるのは業務の一部にすぎないと分かり、以前に削減した職種について再雇用せざるを得なくなった企業もある。

長期的には、GartnerはAIは置き換える以上の雇用を創出すると予測している。しかし、その移行はスムーズにはいかない。AIは年間3200万の仕事を大きく変えると見込まれている。最も強いかたちで抜け出す組織は、この変化の最中に人へ投資したところであり、テクノロジーを人員削減の理由として用いたところではない。

AIは解雇の理由か、それとも口実か

AIによって仕事の進め方が本当に変わったために組織再編を行う企業と、すでに削減したいコストに社会的に受け入れられやすい隠れみのとしてAIを使う企業との間には、重要な違いがある。いま、この両方が起きている。そして見分けはますます難しくなっている。

従業員を解雇する企業の多くは、現在の実績ではなく、AIの潜在力に基づいてそうしている。削減される仕事が、すでに業務を担っているAIシステムに置き換わっているわけではない。企業が、いずれAIがその仕事を担うと信じているシステムに向かっているのだ。これは変革ではない。投機である。

企業の主張と実際に起きていることのギャップを表す言葉が生まれている。「AIウォッシング」だ。AI主導の削減を発表する多くの組織は、削減される役割を埋められるだけの成熟した本番運用可能なAIアプリケーションを持っていない。解雇は、今日AIが労働者を置き換えることというより、企業が明日に賭けるAIインフラのための資金を確保することに関係している。

この背景には財務上の論理がある。ウォール街は、運用上の結果がまだ伴っていなくても、AIへの備えを示す企業を評価する。AI投資と同時に解雇を発表すれば、投資家が聞きたい2つのメッセージを送れるからだ。すなわち、その企業が技術的に時代の先を行っていること、そしてよりスリムになっていること。どちらのメッセージも株価を押し上げる。AIが実際に成果を出すかどうかは、次の四半期以降の話となる。

しかし、この枠組みは貸借対照表を超えた影響をもたらす。企業が従業員に「AIに置き換えられた」と告げると、その従業員が以後テクノロジーとどう向き合うかを形づくる。AIが自分たちに不利に使われたと信じる人は、AIを採用しにくくなり、関与しにくくなり、組織がAIから実質的な価値を引き出すことにも協力しにくくなる。AIの統合を成功させることが目的であるなら、「AIが同僚の仕事を奪った」と労働力に告げるのは、出発点として逆効果である。

打撃は若手労働者に最も重くのしかかっている

これらの削減の影響は均等に分配されていない。シニア開発者や経験豊富なエンジニアはおおむね守られてきた。若手労働者が不釣り合いなほど大きな打撃を受けている。

Stanford HAIの2026年AIインデックスによれば、22〜25歳のソフトウェア開発者の雇用は2024年以降で約20%減少した。同じ企業で30歳以上の開発者は、同期間に人数が増えている。AIはソフトウェアエンジニアリングという分野そのものを置き換えているのではない。ジュニア開発者が雇われて担ってきた特定の作業、すなわち定型的なコード、スクリプト化されたテスト、ルーティンのバグ修正、基本的な運用を置き換えているのだ。

影響は個々の失職にとどまらない。エントリーレベルの職は、労働者がスキルを構築し、経験を積み、時間とともに価値を高める判断力を養う手段であり続けてきた。そうした職がなくなると、中堅・シニアポジションへの人材供給パイプラインが弱体化する。いまジュニア職を削減している企業は、将来、経験者を雇えばよいと賭けている。その賭けは、パイプラインが閉じたままの年が続くほど、勝つのが難しくなる。

ソフトウェア開発職の求人は、2022年後半のChatGPT公開以降、53%減少した。新卒者の失業率は約6%まで上昇し、他の労働力全体の2倍の速さで悪化している。ニューヨーク連邦準備銀行の調査によれば、コンピュータサイエンス専攻は、人文系専攻よりも仕事を見つけにくくなっている。これは誤植ではない。

起きていることは景気循環ではなく構造変化である。企業は既存社員からより多くの成果を絞り出し、辞めた人員を単に補充しない。四半期決算の説明の場では、それは効率的に見える。しかしエントリーレベルの職は単なる仕事ではない。組織が次世代の経験者、すなわちチームリード、シニアエンジニア、将来のマネジャーを3〜5年後に必要とする際の育成の仕組みである。その人材はどこかから生まれなければならない。いまパイプラインを閉じれば、後になってはるかに高いコストで、他社から引き抜く競争にさらされることになる。

forbes.com 原文

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