別の説として、新たに現れた捕食者との競合も指摘されている。2022年に『Nature Communications』に掲載された、化石化したサメの歯に保存された亜鉛同位体の分析によると、ホホジロザメとメガロドンが共存していた鮮新世に、両者の食性は著しく重複しており、どちらも食物連鎖の上位に位置して、海洋哺乳類を餌としていたことが明らかになっている。
より小型で機敏なホホジロザメは、獲物をめぐるメガロドンとの競争で勝利を収めた可能性がある。つまり、獲物が、メガロドンの必要エネルギーを賄うほど十分に大きくなる前に、ホホジロザメによって奪われた可能性がある。
メガロドンの最大の強みであったその巨大な体躯は、獲物の資源量が縮小した際には、かえって足かせとなったかもしれない。この研究の著者らは、メガロドンの絶滅は、単一の引き金によるものではなく、獲物の減少、生息地の喪失、そして競合圧力といった要因が複合的に重なった結果である可能性が高い、と結論づけている。
「メガロドン神話」の誤り
メガロドンは、「海に潜む脅威」として、大衆文化の中で生き続けている。さまざまな映画のストーリーが、この生物が今も深海に存在し、単に発見されていないだけかもしれないという発想に基づいているのだ。
生物学者は一様に、この見方に懐疑的だ。メガロドンのような巨大な動物は、絶えず膨大な量の大型生物を捕食しなければならない。もしそのような生物が存在すれば、我々が徹底的に監視している海域で、その摂食の痕跡や歯、捕食した獲物の痕跡が見つかるはずだ。実際のところ深海は、そうした映画で描かれるような未開拓の領域ではない。
メガロドンが実際に象徴しているのは、隠れた怪物よりも、もっと興味深いものだ。それは、「過去の海」を垣間見せてくれる窓だということだ──想像を絶するほど巨大な捕食者を支えることができた、食物網が極めて豊かだった頃の海を。


