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サイエンス

2026.07.03 18:00

注意すべき「危険な寝言」の見分け方、認知症やパーキンソン病の予兆も

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3つ目の仮説は、進化による発達よりも、脳のメカニズムに着目した「運動性ブレークスルー(motor breakthrough)」説だ。この説では、運動抑制システムが不完全な時に寝言が発生する、というシンプルな見方をとる。

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脳は並外れて複雑な生体システムであり、睡眠中に体の動きを止める役割を持つ回路は、まったくミスなくこの役割を果たすようには最適化されてはいなかった。時にこの回路に漏れが生じるのは(特にこれは、抑制システムがいまだ成熟しきっていない子どもに顕著だ)、脳の機能というよりもむしろ、メンテナンスのための休止時間も設けずに複雑なハードウェアを毎晩運用していることで生じる「副作用」だと、この説では考えている。

ここまで挙げてきた3つの仮説は、相容れないものではない。むしろ、最も妥当と考えられる見方は、寝言が複数の要因によって起きる、というものだろう。つまり寝言は、運動抑制の仕組みが十分に働かないことで発生し、その一方で発話の内容は、話者の脳内で進行中の感情や認知的処理を反映している、ということだ。

寝言に注意を払うべき時は

大半の人にとって、寝言に害はない。興味深く、時に気恥ずかしく思えることもあるが、おおむね自己解決する現象だ。寝言が起きる要因として、信頼のおける文献で挙げられているのは、睡眠不足や発熱、アルコールの摂取や感情的ストレスなどで、こうしたきっかけとなる事象に気を配ってさえおけば、それ以上に治療は必要ない。

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とはいえ、深刻に受け止めるべき状況もいくつか存在する。寝言が頻繁に発せられ、声が大きかったり、手で殴ったり足で蹴ったりする、あるいはベッドから跳び出るといった体の動きを伴う、といった場合は、レム睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder :RBD)のサインである可能性がある。これは、行動抑制のメカニズムが全体的に働かなくなる症状だ。

RBDは、単に迷惑な症状というだけではない。神経変性疾患の重大な初期マーカーであることが、研究で裏付けられている。RBDの症状を示した者を経時的に追跡した研究では、そのうちかなりの部分が、その後パーキンソン病やレビー小体型認知症を発症したことが明らかになっている。この場合、睡眠時に異常が発生してから10年以上経ってから、これらの病気を発症することが多かったという。

睡眠中に突然起き出して叫ぶなどの行動を示す夜驚症や、ぼんやりしたまま歩き回る睡眠時遊行症、呼吸の停止といった症状を伴う寝言も、臨床上の注意を要する事象だ。さらに、寝言を発する者とベッドを共にするパートナーが、寝言の声がうるさくて眠れない場合は、理由に関係なく、「眠りを妨げられている」という事実そのものを理由に、医師に相談するべきだろう。

とはいえ、大半の人にとっては、夜中に時折「だめ」と寝言でつぶやくのは、脳が、いかにも脳らしく活動しているだけなのだ。

forbes.com 原文

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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