北半球の夜空に、年間でも指折りの印象深い流れ星が出現しようとしている。「おうし座南流星群」はまもなく極大を迎え、今年は明るい「火球」が例年より多く流れそうだ。
米国流星学会(AMS)によると、9月中旬から約2カ月間にわたり活動するおうし座南流星群は来週、11月5日(水)頃に極大となる。
流星群とは、彗星が太陽系内で放出した塵がその軌道に沿って帯状に分布する領域(ダストトレイル)を地球の軌道が横切る際に生じる現象だ。微小な塵の粒子が大気圏に突入し、地球の大気と衝突してエネルギーを生じ、プラズマとなって発光する。これが私たちの目に光の軌跡として見えるのが、いわゆる流れ星である。
おうし座南流星群の母天体は、エンケ彗星(2P/Encke)だ。流星出現数は少ないが、たびたび印象的な火球と呼ばれる非常に明るい流星が流れることで知られている。
いつ、どこを見るか
おうし座南流星群の活動が最も活発になるのは11月5日前後。放射点が高くなる夜遅く~夜明け前が観測に最適な時間帯となるが、5日は満月で、しかも間の悪いことに今年最も地球に近く2019年末以来最大となる「スーパームーン」が夜通し空を明るく照らす。
それでも、おうし座南流星群の火球はとても明るいので、月明かりに負けない輝きを探してみる価値は十分にある。満月のまぶしさを突き抜けて火球が流れる場合、おうし座の方向から飛来するように見えるだろう。
流星が飛び出してくる「放射点(輻射点)」はおうし座の近くにあり、空が暗くなると月を追いかけるようにして東の空に昇ってくる。ただし、流れ星は夜空のどこにでも現れるので、できるだけ広く空を眺めよう。



