アップルがApple Watchの全ラインナップを一新する。Ultra 3、Series 11、SE 3の実機を試しながら、2025年のApple Watchの中からベストなモデルを選出してみたい。
日本でも使えることが決まった「高血圧通知」の機能とは
結論から先に言ってしまうと、今期はApple Watch Series 11が一番のおすすめだ。すべての新しい機能に対応しており、価格とのバランスも良い。Series 10から5000円アップになるが、GPSモデルは税込6万4800円から、セルラー通信機能付きのモデルは税込8万800円から販売する。ケースのサイズは46mmと42mmの2種類で、それぞれに素材がアルミニウムとチタニウムのモデルがある。チタニウムのモデルは税込11万4800円から。
2025年のApple Watchに関わる大きなハイライトは「高血圧通知」のヘルスケア機能だ。年内には日本でも提供が始まることが決定した。
高血圧通知では、Apple Watchが搭載する光学式心拍センサーを用いて、心拍に対する血管の反応をデータ化して解析する。Apple Watch本体と通常のバンドだけがあればいい。別途血圧を測定するためのオプションなどは使わない。
高血圧通知はバックグラウンドで常時作動するApple Watchの新しいアルゴリズムにより、ユーザーが30日間に渡ってウォッチを身に着けたデータのうち、有効な14日分のデータを抽出解析する。高血圧の一貫した兆候を検出した場合、月に一度通知する。Apple Watchが先に実現している心電図や血中酸素ウェルネスのように、ユーザーが計測したい時にアプリを立ち上げてオンデマンドに測る機能ではない。どちらかと言えば2024年に発売したSeries 10とUltra 2に搭載する「睡眠時無呼吸の通知」に近い仕様だ。
9月19日の発売日時点ではまだ試せないため、先日アップルが開催した新製品発表会で取材した情報を補足する。高血圧通知のログはiOS 26のヘルスケアアプリに記録され、過去のデータの推移を数値をグラフで見られる。記録されたグラフをPDFデータに出力して、医師と対面の診断に補足的な資料として役立てることもできる。
就寝中など、1日の間にApple Watchを外しながら過ごしても計測に影響はないが、丸1日計測を行わないと30日分の計測データがリセットされて一からやり直しになるようだ。
高血圧通知の機能はApple Watch Series 9以降、Ultra 2以降のモデルに限り使える。新しいApple Watch SE 3はとても優秀なエントリーモデルだが、この機能が使えない。理由は搭載する光学式心拍センサーが1世代前のもので、高血圧通知の計測に対応できないからだ。もし高血圧通知に関心のある方は対応機種の選択に注意したい。Apple Watchで血圧管理を始めるなら、Series 11が最新モデルの中で最も手軽な選択肢になる。



