今週の夜空の最大の見どころは、年に一度の「衝(しょう)」を迎えて今年最も大きく明るく輝く土星だ。週明け22日の新月が演出する部分日食は南半球でしか見られないが、まもなく地平線の下に沈んで来年4月まで見納めとなる天の川の中心部を堪能するには絶好の闇夜が訪れる。
細りゆく月は、木星とふたご座の兄弟星、金星やしし座のレグルスと次々ランデブーする。今週も星空観察の理由には事欠かない。2025年9月16日からの1週間の夜空についてまとめた。
9月17日(水):月と木星、ふたご座の兄弟星が接近
未明~明け方に、月齢24.5の細い月が木星と並ぶ。月のすぐ上には、ふたご座の1等星ポルックスと兄弟星カストルが仲良く光っている。
9月19日(金):細い月、金星、レグルスが共演
夜明け前、いっそう細くなった月齢26.5の月が東の低空で「明けの明星」として輝く金星の真上に現れる。金星のすぐ下には、しし座で最も明るい1等星レグルスがある。月に目を凝らすと、影の部分がほのかな光を帯びているだろう。これは、地球の雲などに反射した太陽光が月の夜側を照らし出す「地球照」という現象だ。
9月20日(土):金星とレグルスが「キス」
日の出約1時間前の東の低空、地平線のすぐ上で、金星とレグルスが大接近する。見かけの距離は約0.5度と極めて近く、そのすぐ下には月齢27.5の繊細な月が静かに寄り添う。肉眼で観測できる天体の接近現象としては、今月屈指の見ごたえのある幻想的な光景となる。
9月21日(日):土星が「衝」
今宵は土星を観望するまたとないチャンスだ。地球から見て太陽と正反対の位置関係にくる「衝」を迎えた土星は、日没の頃に東から昇って0.6等級の輝きを放ち、日の出の頃に西に沈む。環は傾きが小さいため細く見づらいが、小型望遠鏡を使えば観察できるだろう。
9月22日(月):新月、部分日食
日本時間午前4時54分に、新月の瞬間「朔」が訪れる。今宵は月明かりの全くない暗い夜空を楽しもう。南半球では部分日食が見られる。ニュージーランド、フィジー、トンガ、南極大陸では日の出とともに太陽が月の影に隠れる。食の最大時には太陽の79%が欠けて見える。



