売上高で世界最大のメモリーチップメーカーであるサムスンは、2024年1~3月期の営業利益を6兆6000億ウォン(約7420億円)と報告した。前年同期は6400億ウォンだった。この増加によって同社は、2022年第3四半期以降で最高の営業利益を達成することになる。
サムスンはまた、第1四半期の売上高が前年同期比11%増の71兆ウォンになると見積もっている。同社の株価は、過去1年間で約36%上昇している。
アナリストらは、サムスンの明るい見通しを、メモリーチップ価格の上昇に起因するとしている。メモリーチップ価格は、高インフレの中で消費者が電子機器の購入を控えた昨年の低迷から立ち直りつつある。この回復は、人工知能(AI)モデルのトレーニングや処理のために大量のメモリーチップを必要とするAIブームに後押しされている。
サムスンは、高帯域幅メモリー(HBM)チップの生産で競合に追いつこうとしている。HBMは、AIコンピューティングのためにエヌビディアのGPU(グラフィック・プロセッサー)と連動する上で最適なチップだ。HBM市場は現在、韓国のSKハイニックスが独占しているが、エヌビディアの共同創業者でCEOのジェンスン・フアンは先月、同社がサムスンのHBMチップの購入を検討していると述べた。
アナリストによると、サムスンの業績を押し上げたもう1つの要因は、同社初のAI搭載スマートフォンの販売が好調だったことだ。同社は1月、フラッグシップモデルのGalaxy S24シリーズの販売を開始した。この端末は、グーグルの生成AI技術に基づく機能を搭載しており、通話のライブ翻訳や、ユーザーが端末上の画像を丸で囲むと関連情報が得られる検索ツールなどを備えている。
サムスンは、より詳細な決算を4月30日に報告する。
(forbes.com 原文)