世界の超富裕層は、ここ1年で資産額をさらに増やした。ビリオネア全体の資産総額は前年から2兆ドル増え、2021年の記録を1兆1000億ドル上回って、過去最高の14兆2000億ドル(約2150兆円)に到達した。
世界の富は、最上位に集中。保有資産額が1000億ドル(約15兆円)以上の富豪の数は14年前には1人のみだったが、今年は過去最高の14人となった。14人の資産総額は2兆ドル(約300兆円)。世界のビリオネア2781人のわずか0.5%が、全ビリオネアの保有資産の14%を占めている計算だ。
世界で最も裕福な人物はフランスの高級ブランド王ベルナール・アルノーで、2年連続で首位に立った。保有資産額は推定2330億ドル(約35兆3000億円)。ルイ・ヴィトンやティファニー、セフォラなどを傘下に置く自身の複合企業LVMHが、ここ1年で再び記録的な業績を達成したおかげで、アルノーの資産額は前年から220億ドル上昇した。
2位に入ったのは実業家のイーロン・マスクで、推定資産額はアルノーより380億ドル低い1950億ドル(約29兆5000億円)だった。そのすぐ後ろには、アマゾンのジェフ・ベゾス元最高経営責任者(CEO)が推定資産額1940億ドル(約29兆4000億円)で3位に入った。
本ランキングは、2024年3月8日時点の株価と為替レートに基づいている。世界のビリオネアの3分の2は、資産を前年から増やした。
資産額の増加幅が最も大きかったのは、メタのマーク・ザッカーバーグCEOだ。資産額は前年から1162億ドル増、自己最高記録となる1770億ドル(約26兆8000億円)で、ランキング4位に入った。メタは、リストラによるコスト削減や、人工知能(AI)とメタバースへの大きな軸足転換が功を奏し、株価が約3倍に上昇。5位には、オラクル創業者のラリー・エリソンが、推定資産額1410億ドル(約21兆4000億円)で入った。