ハッブル宇宙望遠鏡(HST)は主に可視光で観測する一方、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)は赤外線で観測する。人間の目には見えない赤外線は、地球の大気圏内で検出するのが難しい。
宇宙最大の天体
HSTとJWSTのデータをフィルターで合成して作成した、息をのむほど美しいこの画像は、広大な銀河団「MACS0416」を撮影したもの。NASAによると、銀河団は、重力によって互いに束縛された多数の銀河からなる集団で、知られている宇宙で最大の天体だ。目を見張るような美しさのこの最新画像は、オンラインでズーム機能を使って詳細に調べることができるほか、解像度4457x4133ピクセル(約18万画素)の画像を誰でもフリーでダウンロードできる。
MACS0416は、太陽系から43億光年という途方もない距離にある。
クリスマスツリー銀河団
今回の研究成果をまとめた2件の論文のうちの一方の筆頭執筆者で、米ミズーリ大学コロンビア校のハオジン・ヤンは「MACS0416はクリスマスツリー銀河団と呼ばれている。とてもカラフルなだけでなく、内部にチラチラと瞬く光源があるからだ」と話す。「至るところに突発天体が見られる」 突発天体は、観測される光度が時間とともに変化する天体だ。両宇宙望遠鏡の観測データに基づき、2件の独立した論文が発表され、一方は専門誌The Astrophysical Journalに、もう一方は専門誌Astronomy & Astrophysicsにそれぞれ掲載された。