バンク・オブ・アメリカのアナリストは7月21日のメモで、映画機材レンタル会社Herc Holdings(ハーク・ホールディングス)の評価を「買い」から「売り」に格下げし、ハリウッドのストライキが、同社のレンタル部門の売上を、第3四半期に前年同期比で75%減少させると予測した。
JPモルガンのアナリストも19日、映画チェーンのCinemark(シネマーク)の評価を「買い」から「ホールド」に引き下げ、短期的に興行収入が増加しても、ストライキが株価のアップサイドを制限すると警告した。
ゴールドマン・サックスのアナリストも先日「ストライキによって映画のプロモーションが困難になり、年内に公開される映画が不調に終わるリスクが高まる」と指摘した。シネマークと映画テクノロジー大手のIMAXコーポレーションの収益見通しは「映画の公開遅延のリスクをまだ完全に織り込んでいない」と同行は述べている。
13日に全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)がストライキを開始して以来の株価の下げ幅は、IMAXが9%、ハークが7%、シネマークが5%、AMCが1%となっている。
これらの企業よりも規模が大きいエンタメ関連の大型株は、目立った動きを見せていないものの、ファクトセットのデータによると、パラマウントとディズニーは、脚本家のストライキが始まった5月2日以降のS&P500の中で、最もパフォーマンスが悪かった12銘柄のうちの2つを占めている。
しかし、混乱の中でも勝ち組は現れており、ループキャピタルは、コンテンツの保有数が多いネットフリックスが、競争上の優位性を持ち、ストライキから比較的無傷で抜け出せる可能性が最も高い大手だと述べている。
映画『オッペンハイマー』の配給元のユニバーサル・ピクチャーズの親会社のコムキャストと、『バービー』の配給元のワーナー・ブラザース・ディスカバリーの株価は、ここ1カ月でそれぞれ5%以上上昇している。バービー人形の製造元のマテルの株価も、ここ1カ月で20%近く上昇しており、その大部分が映画の宣伝効果とみられている。
(forbes.com 原文)