起業家

2023.02.03 12:00

スタートアップ経営者になって消えた、キャリアへの焦り|Yoii CEO 宇野雅晴、CTO大森亮

右からCEO宇野氏、CTO大森氏(画像=Yoii)

右からCEO宇野氏、CTO大森氏(画像=Yoii)

大企業とスタートアップの給与格差がなくなり、急成長企業への転職も選択肢の一つになってきている。本連載では、スタートアップで活躍する起業家やコアメンバーの方へ、現在の働き方やキャリアについてインタビュー形式でお届けする。

第一回は、RBF(レベニュー・ベースド・ファイナンス:将来の見込み収益をベースに企業が資金調達をできる仕組み)プラットフォームでスタートアップの資金調達を支援するYoii(ヨイ)共同創業者の宇野雅晴さん、大森亮さん。

Yoiiは2022年4月にサービスを開始し、9月には4億8000万円の資金調達を実施した。数十社にサービスを提供しており、2024年には海外進出も目指す。

もともとは企業の社員としてキャリアをスタートした共同創業者の2人。どのような道のりを経て、今のポジションに至ったのか、話を聞いた。

・インタビュアー Plug and Play Ventures Principal 馬静前
コンサルティングや証券会社を経て、2021年からPlug and Play Venturesに参画。日本のスタートアップ投資業務全般を統括。


経営者になって変わった、キャリア観

──スタートアップでの勤務や起業を経て、キャリアに対する考え方はどう変わりましたか?

宇野:私は博報堂プロダクツからキャリアをスタートしましたが、新卒の頃から起業に関心を持っていました。アドテク*1を中心に、スタートアップから提案を受ける機会もあり、彼らの技術の面白さ、提案力の高さ、熱量などに触れ、いわゆる「スタートアップ業界」への関心を募らせていました。

新技術やそれを生み出すエンジニアたちと働くことへの興味から、その後ペイメント領域のスタートアップOmise(現:Opn)に入りました。

Omiseでは事業開発を経てカントリーマネージャーとして勤めました。やらなければいけないことが多く、とにかく動く必要があるので、「実行力」がすごく身についたと思っています。また、自分で判断して動いていくなか「人を巻き込む力」も得られました。Omiseの後に加入したBUIDLではVice Presidentとして、採用から関わりました。

スタートアップでは、営業、人事、総務まで非常に多くのことを1人でやります。そのため器用貧乏のように感じることもあったんです。今に至るまでキャリアについて悩むこともありましたが、スタートアップの経営者になってそのような焦りはなくなりました。

これまでは自分の能力を高めることに注力していましたが、経営者になってからは「社会に対してどのような新しい価値を提案するのか」が全て。その中で事業やメンバーの成長に対する責任について主眼を置くことになり、自分主体でキャリアを考えることが無くなりました。

*1 広告配信の効率を上げるためのテクノロジー
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文=Plug and Play Japan

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