ゲイツは1月27日のロイターの取材に、彼と米国のコロナ対策のトップであるアンソニー・ファウチ博士についての「狂った陰謀論」は、パンデミックに対する恐怖心とソーシャルメディアの台頭により引き起こされた可能性が高いと述べた。
パンデミックに関する最も目を引く陰謀論のいくつかは、ゲイツが「世界の人々にマイクロチップを埋め込むためにワクチンを活用しようとしている」という、根拠のない主張に基づいている。
ゲイツは、人々が本当にこれらの陰謀論を信じているのかどうかを知りたいと話した。「それは、人々の行動をどのように変えるのだろう? そして、我々はどのようにして、これを最小限に抑えるべきだったのだろう?」と、彼は問いかけた。
ゲイツはロイターのインタビューの中で、ファウチ博士とフランシス・コリンズ米国立衛生研究所長らを称賛し、「頭の切れる、素晴らしい人たち」と形容した。彼は、ジョー・バイデン大統領の下で二人が力を発揮し、真実を語る姿を見るのを楽しみにしていると述べた。さらにゲイツは、トランプ政権下ではファウチ博士とコリンズ所長らが「政府の中で唯一のまともな人たち」だと感じることがあったと付け加えた。
「Plandemic」と題された反ワクチンの陰謀論の動画は昨年5月頃からSNS上で拡散し、最終的には削除されたが800万回も再生されていた。この動画は、ファウチ博士に対する複数の陰謀論を展開し、ワクチンが人々の免疫システムにダメージを与えるという調査結果を彼が隠蔽していると主張していた。
この動画の続編の「Plandemic: Indoctrination」にも、ゲイツとワクチンに関する虚偽の主張が盛り込まれていたが、各SNSが迅速な対処を行った結果、限定的なリーチに留まった。
ゲイツが妻と設立した慈善団体「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」は、コロナとの戦いに巨額の資金を注ぎ、モデナ社とアストラゼネカ社のワクチンや治療法の開発を支援してきた。
1月27日に開示された財団の年次書簡の中で、ゲイツは将来のパンデミックに備えるための世界的な努力が必要だと述べ、「その脅威を、戦争の脅威と同じレベルの深刻さで受けとめる必要がある」と主張した。
ゲイツは、次のパンデミックが発生する前に、世界が「メガ診断プラットフォーム」を開発し、世界人口の20%を毎週テストできる体制を整えることを望んでいると述べた。彼はまた、感染力の強い病原体をいち早く検出し警告を発する、世界的な「パンデミック・アラートシステム」が必要だと主張した。