時が流れないとすれば/岡ノ谷一夫

東京大学大学院総合 文化研究科教授
岡ノ谷 一夫

たぶん6,7歳のときである。お風呂に薪をくべる母の背に「僕、いつ死んじゃうの?」と聞いた。死に伴う痛みとか苦しみとかを思い煩ったのではなく、幼いなりに
形而上学的な疑問を死に対してもっていたのだ。母は「おまえが死ぬのは私が死んだあとだから、そんなことまだ考えるんじゃない」と言った。そういう問題じゃない... 続きを見る

CATEGORY