『Stellar Blade』主人公は「露出度が足りない」? 検閲めぐる愚かな論争が勃発

安井克至
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・問題となっている点の1つに、SHIFT UPが以前、『Stellar Blade』はすべての国で「検閲されていない」状態で発売すると宣伝していたことがある。ただし、これは主に、厳しい判断をすることが多い日本のコンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)を相手にしても、カットしなければいけない部分はなかったことを表明するものだった。だが一部のプレイヤーは、コスチュームのささいな変更を「検閲」と同一視し、SHIFT UPによる宣伝は虚偽だったと批判している。

・加えて、最終バージョンでゴア表現が検閲されたというクレームも出ているが、実際にはそのようなことはなかったとみられる。これは、ゲーム内のグラフィック設定を変えることで、さまざまなテクスチャが表示されたりされなかったりすることが原因だ。同作には今も、さまざまなゴア表現が存在する。

まとめると、問題となっているのは、数種類のコスチュームにわずかな生地が追加されたことだ。同作にはこれ以外に、より露出度の高いコスチュームが多数存在するが、それらは変更されていない。デザインの変更が何者かによって「強制」されたという証拠はなく、開発者側も、これが最終的なデザインとして意図したものだったと公言している。しかし、過去に同作を称賛していたのと同じ人々が、今は同作に抗議し、どんなに些細なものでも検閲はすべきではないと主張しているのだ。こうしたごく一部の人々を外から眺める私たちは、彼らがなぜこんなことに怒っているのかがまったく理解できずにいる。

SHIFT UPがこれらのコスチュームのデザインを元に戻す可能性も無きにしもあらずだ。間抜けな措置となるが、可能性は否定できない。同作の主人公イヴは、こうしたジャンルのゲームではまれにみる挑発的なデザインを採用したキャラクターなのだが、それでも何かと文句をつけたがる一部の人々を満足させることはできないようだ。コスチュームから布地を1つか2つ外したら、彼らは満足するのだろうか? それはわからないが、きっと無理だろう。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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