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2024.04.24 14:00

アドビが独自AI「Firefly」を強化 クリエイターの意図により近い画像を生成

安井克至
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Adobe Fireflyが2023年の3月に発表されてから1年が過ぎ、全世界のユーザーにより70億枚以上の画像が生成されてきた。現在はウェブアプリのAdobe Fireflyから無料でAI画像生成が利用できることも追い風になり、「新しいクリエイターをアドビのエコシステムに呼び込むことができている」とボイス氏はその手応えを語る。特にAdobe Fireflyの場合は、ユーザーの90%がアドビ製品に初めて触れる初心者なのだという。

Adobe Photoshopのように、腕に覚えのあるクリエイター向けのアプリケーションに組み込まれたAdobe Fireflyに対して、ボイス氏は「プロフェッショナルからの理解が得られているし、反響も良い」のだと主張する。「生成塗りつぶし」「生成拡張」の登場以降、クリエイターがPhotoshopを使う機会が増え、より複雑な画像編集に踏み込みやすくなったという声も返ってくるようだ。Creative CloudからPhotoshopに新規にサブスクリプション登録する契約者の数が、Fireflyのリリース前後で約30%も伸びているという。「生成AIがクリエイターの裾野を広げて、アドビ製品に関心を持つユーザー層を拡大するきっかけになっている」とボイス氏は胸を張る。

今回のアップデートの追い風を受けて、アドビはDTPソフトウェアの「Adobe InDesign」にもFireflyを組み込み、テキストからAI画像生成をする機能が加わることも発表された。こちらは当初英語版から対応が始まるが、日本語版の導入時期は未定だ。

AI画像生成のインターフェースが洗練されて、すべてのクリエイターが親しみを持って使えるAdobe Photoshopになることは喜ばしい。だが、生成される画像が「使えるもの」でなければ、クリエイティブツールとしてのPhotoshopの価値をAIが高めているとは言えない。筆者もAdobe Photoshopのユーザーだが、現状はFireflyによって生成される画像のテイストが好みに合わないため頻繁に使う機会がない。アドビのボイス氏に聞いたところ「今後は地域単位でAIによる生成結果をファインチューンできるような機能も検討したい」という回答を得た。今後の展開に期待したい。

連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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編集=安井克至

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