海外

2024.04.30 10:00

欧州版「30 UNDER 30」2024、AI分野の起業家たち

木村拓哉

リニアリティ創業者のウラジミール・ダニラ

欧州連合(EU)の欧州議会が米国時間3月13日に可決したAI法は、人工知能(AI)規制の世界基準を打ち立てた。EUがAIの未来を形作るリーダーとしての地位を確立しようとする中、欧州の起業家たちは、責任あるAIを幅広い産業で推進している。

その1人が、静的なグラフィックスとインタラクティブなグラフィックスの両方の作成方法に革新をもたらしたLinearity(リニアリティ)創業者のウラジミール・ダニラだ。同社はマーケティング業界に照準を絞り、アドビやフィグマなどの大手と競合している。現在24歳のダニラによると、アップルやディズニー、メタ、マイクロソフトなどの大手企業が、リニアリティのデザイン・プラットフォームを導入しているという。

彼が目指すのは、デザインツールを簡素化し、より利用しやすくすることだ。リニアリティは、これまでに2000万ドル(約30億円)を調達しており、今後はAIを用いた自動化とコラボレーションの機能を拡大する計画だ。

ベルリンを拠点に活動するダニラは、AIが万能のソリューションではなく、人間の創造性に取って代わるものではないことを理解している。現状、リニアリティが提供する機能は、AIによる背景除去と自動トレースの2つだ。「本当に重要なのは、ユーザー体験を向上させるためにこれらの技術を使えるようにすることだ」と彼は話す。リニアリティは今年後半、ブランドの商品画像を一変させる生成AI機能を発表する予定だ。
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編集=上田裕資

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