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2024.03.18 08:35

中国アントグループのAlipay、アジア各地で電子マネー事業を戦略的に拡大

Andy Feng / Shutterstock.com

中国フィンテック大手アントグループのAnt International(アントインターナショナル)が進めるグローバル展開は、Alipay+(アリペイプラス)の立ち上げとアジア各国で提供されている電子マネーとの相互運用の向上に軸足を置いて以来、ますます戦略的になっている。こうした取り組みが利益につながっているかどうかを測るのは難しいが、過去1年半でのアントの国際決済ネットワークの拡大は目覚ましい。同社はまた、地政学的な圧力から特定の市場でのプレゼンスを賢くもひっそりと縮小している。

海外旅行が新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)前の水準まで回復しており、Alipay+は特に近隣のアジア諸国で大きく成長する余地があるようだ。

韓国での成長

Alipay+にとって最も重要な市場の1つは韓国だ。韓国は中国人の観光客やビジネスパーソンが最も訪れる国であるだけでなく、中国にとって5番目に大きな貿易相手国でもある。中国は韓国にとって最大の貿易相手国だ。

こうした理由に加え、韓国のメジャーな電子マネーであるカカオペイとの2017年来の提携により、アリペイは韓国で事業を成長させるにあたりユニークな立場にある。中国を訪れる韓国人は、Alipay+に対応する中国の大半の店舗でKakao Pay(カカオペイ)のアプリを使って決済でき、韓国を訪れる中国人も同様にアリペイで決済できる。カカオペイは2023年末までに、この相互運用性を中国国内の店舗決済の80%にまで拡大した。

昨年12月に韓国の首都ソウルで行われた記者会見で、アントグループは韓国の実在店舗でのAlipay+による決済が同1月からの10カ月で700%以上増えたことを明らかにした。Alipay+は現在、韓国の主要免税店や百貨店、コンビニ、飲食店、交通機関など170万以上の加盟店で利用できる。昨年9月の韓国の決済システムのゼロペイとの提携が同国におけるAlipay+の普及に大きく貢献している。
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翻訳=溝口慈子

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