宇宙

2024.02.20 18:00

21日に大気圏突入か、役目を終えた欧州宇宙機関の地球観測衛星

地球観測衛星ERS-2(ESA)

欧州宇宙機関(ESA)の地球観測衛星ERS-2は、軌道上に30年近く留まってきた。ミッションとしては2011年に退役し、最終的に大気圏内で燃え尽きるような位置へと移動させられていた。

その消滅の日は、今週、おそらくこの原稿を書いている数時間以内にも訪れるだろう。

宇宙船やその他の人工物の再突入を監視するAerospace Corporationによると、ERS-2はグリニッジ標準時2月21日の早朝(日本時間21日午後)に大気圏に突入し、消滅への道を炎とともに歩み始めると推定されている。しかし、グリニッジ標準時2月19日の時点ではその予測の誤差はプラスマイナス25時間であり、再突入は今にも起こり得る。

HEO Spaceは、その衛星のカメラを使って落下中の機体を発見した。運命が尽きようとしているこの宇宙船は、まるでスター・ウォーズのTIEファイターを思わせる。


Aerospaceによれば、衛星は地球上のほとんどのエリアを時々刻々と通過するため、どこに衝突するかについては予測できないという(Aerosoaceによる軌道の図はこちら)。

幸いなことに、地球の大部分は海か荒野に覆われているため、人口の多い地域の上空で崩壊する可能性は極めて低い。また人工衛星、ロケット本体、その他の宇宙ゴミの中では、ERS-2は比較的小さく、重量は3000kgにも満たない。つまり地表に到達する前に、ほとんどすべての物体が燃え尽きることが予想される。

とはいえ、再突入にともなう極度の熱と圧力にどの部品が耐えられるかについては、何とも言えない。過去の似たような事象の後には、焦げた金属片、断熱材、その他の断片が見つかっている。

ESAによれば、1人の人間が1年間にスペースデブリによって負傷するリスクは1000億分の1以下だという。これはぼぼゼロに近く、雷に打たれる確率はこれよりも6万5000倍高い。ERS-2は1995年に打ち上げられ、16年間にわたって地球を観察する先駆的な役割を果たした。

ERS-2が最後の輝きを放つまで、最新情報をチェックしていこう。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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