2023.10.31 17:00

日韓の高級EVを試乗比較 レクサスRZ450e対ジェネシスGV70

2023 Lexus RZ 450e Lexus

2023年に発売されたLexus RZ450e(レクサス RZ450e)とGenesis Electrified GV70(ジェネシス エレクトリファイド GV70)は、どちらも最新の電動技術を、スポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)という米国人が愛して止まないお馴染みの車型に搭載したすばらしき一例だ。しかし、当然のことだが、両車はまったく異なる特徴を備えている。筆者は最近、この2台を続けて運転する機会があった。どちらが「ベスト」であったか? 以下は私が下したその結論である。

ルックス:レクサス RZ450e

この項目については、まったく議論の余地なし。どこから見てもレクサス独自のシャープなラインで構成されたRZは、まるで映画スターだ。GV70は、ルックスという観点から見れば、平凡で目立たない。筆者が乗っていたときにも、それがなんというクルマなのか、誰もわからなかった。ある人は、フライングウィングのエンブレムから「Chrysler(クライスラー)」のクルマだと思っていた。

2023 Genesis Electrified GV70 GENESIS

2023 Genesis Electrified GV70 GENESIS

価格:レクサス RZ450e

米国市場における車両価格は、RZが5万9650ドル(約890万円)から、GV70は4万4900ドル(約670万円)から。ただし、この価格で購入できるGV70はガソリンエンジン車だ。電気自動車仕様であるエレクトリファイドは、6万6450ドル(約990万円)からとなる。したがって、EVを必須条件として値段を重視するのであれば、RZを選ぶことになる。

2023 Lexus RZ 450e LEXUS

2023 Lexus RZ 450e LEXUS

性能/パワー/走り:レクサス RZ450e

両車とも車体の前後に1基ずつ、計2基の電動モーターを搭載するが、RZのシステム合計最高出力が230kW(312ps)であるのに対し、GV70のそれは320kW(435ps)。ジェネシスの方がレクサスを大きく上回るものの、両車とも求められるいかなる仕事でも、達成するのに必要なパワーは、十分に備えていた。

どちらのクルマも、ドライバーが期待するとおりに走る。驚くことではないが。駐車場では思い切りキビキビと動かせるし、高速道路では飛ぶようなスピードで甘美に巡航する。コーナリングはしっかりとしていて、ブレーキはよく効く。両車とも家族全員、そして愛犬にとっても、快適な乗り心地だ。しかし、RZの方がずっとパワフルに感じられる。よってパワーとパフォーマンスの面ではRZに軍配が上がる。

2023 Genesis Electrified GV70 GENESIS

2023 Genesis Electrified GV70 GENESIS

航続距離:GV70

GV70はフル充電状態から236マイル(約380km)、RZは220マイル(約354km)の距離を走行できると謳っている。だが、どちらもまったく足りない。日中に用事のために忙しく走りまわり、そのまま充電せずに夜になったらクルマに乗り込んでクラブへ行ってまた帰ってくるということはできない。急速充電器を持っていない限り、別のクルマを使わなければならなくなるだろう。これが、電気自動車を鼻であしらう人がいる理由の1つだ。

次ページ > 最終的な判定はどちらの勝ち!?

翻訳=日下部博一

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事