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2022.08.04 11:00

見積もりプラットフォーム「ミツモア」が23億円調達 新事業を海外投資家が評価

代表の石川彩子(提供=ミツモア)

オンラインで専門業者を探せるサービスを手がけるミツモアは、8月4日、シリーズBとして計23億円の資金調達を行ったと発表した。

最大額を出資するのは、資産運用グループ「フィデリティ」のベンチャーキャピタル「Eight Roads Ventures」。他に、既存の「Angel Bridge」と「WiL」、新規として「MPower Partners」「三菱UFJキャピタル」も投資した。

ミツモアは、2017年の創業。ハウスクリーニング、引越し、税理士、自動車整備など300種類を超える専門業者と利用者をオンライン上で結ぶサービス「ミツモア」を展開している。

このサービスは、依頼場所や日時など、利用サービスごとに用意された質問に答えると、登録してある専門事業者の複数の見積もりが自動で表示される仕組み。利用者はそれらを比べながらベストの依頼をすることができる。2021年8月から1年間の依頼数は、前年同期比で2.4倍までに増加しているという。

海外投資家が目を向けた新サービス


ミツモア代表の石川彩子は今回の調達に関して次のように話す。

「いちばん評価されたのは、ミツモアの創業期からの大きな成長です。調達環境が急激に悪化していく局面での資金調達だったので、心労は絶えませんでしたがなんとか間に合いました。今後すぐに市況が回復することは見込めないので、いまは余力のある計画で事業を進めていかなければいけないと考えていますが、その中でも選択と集中をしっかりと行います。」

マクロな経済環境が冷え込むなかでも、資金が集まった背景には、8月に正式ローンチするSaaS(インターネット経由で提供するソフトウェア)事業がある。

サービス名は「MeetsOne(ミーツワン)」。電気や空調工事などの現場作業の顧客獲得から施工スケジューリング、見積書、請求書の発行といったバックオフィス系業務までを、このサービスは一元管理する。

実はいま、こうした専門業者の現場作業の管理(FSM=フィールドサービスマネジメント)を行うソフトウェア市場が、アメリカを中心に活況を呈している。今回の資金調達について石川が続ける。

「同様のソフトを提供している企業は、海外ではすでに何10社もあり、Service Titan(サービスタイタン)というアメリカのスタートアップは今年中にも180億ドル(2兆円超)の時価総額で上場を目指していると言われています。ミツモアのMeetsOneが、この成功事例が次々に生まれている領域のサービスであることが、海外投資家から出資をいただけたもう1つのポイントです」

MeetsOneでは、ミツモアで関係を築いてきた専門業者が、初期ユーザーとなっており、滑り出しは順調。今回の調達資金もこれらの開発に投入していく。また、ミツモアのサービス利用者の拡大も狙い、そのためのマーケティング費用にも充てていく予定だ。

文=露原直人

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