ビジネス

2014.10.08

日本企業の未来を変える「企業内起業家」とは何か

企業を“ 選ばれるパートナー”に脱皮させる鍵を握る「企業内起業家」



イノベーションは、よりよく、より安価に、より早く商品化に結び付けてこそ価値がある。それを実現するエネルギーを企業にもたらす人材が「イントラプレナー」だ。

イノベーションによる成長の重要な鍵を握る新たなタイプの人材が出現した。それは、「イントラプレナー」、つまり「企業内起業家」である。
イントラプレナーは、会社員でありながら起業家精神にあふれ、会社内のIP、IT、マーケットでの実績といった、会社の既存の資産を活用しながら、急激にブレークスルーを起こす能力を兼ね備えている。イントラプレナーは、スタートアップが持つエネルギーを会社に吹き込み、革新的なビジネスモデルや技術革新を引き起こす。
(中略)
「選ばれるパートナー」になるためには、社内の変革の牽引役となるイントラプレナーを育成することが解決策の一つである。彼らは、社内の舵取り役としての素養を備えているだけではなく、成功のためのスピード感、リスクテイクの姿勢、他社との提携という対外的 な視点も有する希少な人材である。
(中略)
「選ばれるパートナー」となるために、パートナーシップエコシステムやイントラプレナーを活用することが非常に効果的であることはすでに実証されている。成長の鈍化に悩むP&Gは、伝統的なR&D経営モデルからオープン・イノベーションという新たなモデルへと方向転換し、現状打破に成功した。GoogleもGoogle X incubatorでイントラプレナーを活用し、無人自動車やGoogle Glassといった革新的な新商品・サービスを打ち出した。また、Dysonでは画期的なサイクロン式掃除機の発売前の4年間に、イントラプレナーは、5,127もの試作品を考案している。Cisco、Amazonといったイノベーションリーダーも、エコシステムとイントラプレナーを組み合わせてブレークスルーを起こし、成長を遂げた。
(中略)
イントラプレナーは、成功にたどり着くまでに何度か失敗を経験するであろう。その時、会社は、失敗を責めるのではなく、どこにビジネス機会があるかを見極める機会としてそれを受け入れるべきである。ビジネス機会は既存のビジネスとは異なる視点から生まれるものであり、自由な発想で見ていく必要がある。(以下、略)

ロブ・シェルトン&ジェイムズ・ソー(PwC)

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