ビジネス

2014.11.16

熊谷正寿「創造心を刺激して競争に勝つ」




一度は練炭自殺の夢も見たという熊谷社長。会社存続の危機を乗り越え、今回、ジャパンリッチリスト49位にランクイン。その裏には。

「創業後は山あり谷あり」
1991 年の創業以降、現在に至るまで紆余曲折がありました。
熊谷:1991年に創業し、95年にインターネット事業に参入し、ホームページを増やすためのインターネットのインフラ事業に軸足を置いて事業を拡大してきました。ちなみに今、グーグルで検索した際に出てくる、およそ90%のドメインは私たちのサービスを経由して、登録されています。そして99 年には、独立系インターネットベンチャーとして最初に上場しました。
その後、メディア事業、ネット証券事業を展開し、ネット証券は今ではFX取引高が2年連続で世界首位。最近ではスマートフォンのゲーム事業にも進出するなど、成長を続けています。
現在、GMOインターネットグループは、上場企業6社を含む81社、スタッフが約4000名、売上高1050億円、利益125億円の事業体です。

(中略)
一時は、消費者金融事業に乗り出し、過払い請求問題から倒産の危機もありました。
熊谷:
2007年にグループに加わった消費者金融会社の過去10 年分のグレーゾーン金利返還を背負うことになり、2年で400億円の損失。創業以来十数年積み上げてきた資産がゼロに戻り、会社が倒産の危機に。朝、シャワーを浴びているときにいろいろ考え、気が遠くなりそうでした。練炭自殺の夢も見ました。経営メンバー全員で奔走し、個人で借金もしましたが、多くの人に助けていただき、なんとか持ち直すことができました。今でもあの時のことは忘れられません。

 フォーブス ジャパンでは、リッチリストに載る人は社会還元をしているというメッセージを伝えたい。熊谷社長が思う社会還元をお教えください。
熊谷:
インターネット産業も我々もまだ成長過程にあります。だから我々にとっていちばんの社会還元は、しっかり事業を展開し拡大させていくことだと思っています。
インターネットが発展し、ネットの情報が増えれば、無駄な作業が省略できる。たとえば、ある医学書を調べるときに、これまでは医学の専門図書館、大学、もしくは海外に行かなければ見つからなかった。でも今は、インターネットですべて検索できます。
今、リアルをインターネットでつなぐことで、多くの人は時間といういちばん貴重なリソースを節約できる。つまり、その時間を個々人が豊かになることに振り分けることができる。
ぼくは基本的にはインターネットで人々は豊かになると思っています。その意味で、社会還元は、まずは自分たちが一生懸命仕事をすることだと思っています。

フォーブスジャパン

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