転職で勝つ「逆転の発想」 交流イベントには出るな

Jakub Jirsak / Bigstock


78歳のビル・エレマイヤーは、求人ビジネスの世界では名の通ったひとりだ。1981年に設立した再就職支援の会社を1990年に人材派遣大手のアデコに売却し、子会社としてアウトプレースメント部門を運営してきた。2004年にキャリアコーチとして独立し、主に経営幹部や副社長レベルの職務経験者たちの再就職を支援している。30年以上にわたってキャリア支援を続けてきたエレマイヤーが明かす、新たな仕事にありつくための8つのルールを紹介しよう。

1. あえて「職探し」を止める
求職中の人たちは応募書類をやたらに送りつけたり求人サイトに登録したりすることが就職活動だと思っている節がある。「500通の履歴書を知り合いや親戚や会社などに送ったとしても、誰もあなたのために時間を割いてくれようとはしないでしょう」とエレマイヤーは言う。「あなたにふさわしい職がそこにあるか、ヘッドハンターが空いているポジションを埋めるために動いていると確認した後でないと書類を送っても意味がありません」。失業中の求職者ではなく有能な人材として自分を印象づけることが大切だ。

2. 履歴書に時間を割くのを止める
プリントアウトした履歴書は必要だが、最近ではLinkedInであなたのプロフィールを確認するほうを好む雇用主も増えている。長々とした職務経歴書よりシンプルに事実のみを知りたがる会社も多いとエレマイヤーは言う。履歴書は簡潔かつ明確に記し2ページ以上書かないこと。記載内容に付け加えるのは、売り上げを75%伸ばしたというような大きな成果を上げたものだけにする。LinkedInのプロフィール更新も忘れずに。

3. 自己PRを控える
「20秒経ったらあなたの自己PRは忘れられてしまいます」とエレマイヤーは言う。「それよりも60秒から90秒くらいで自分自身のストーリーを語ったほうがいい。事実や数字になんて誰も興味はないんです」。
できれば短くてユーモラスなあだ名を自分につけるといいだろう。エレマイヤーは自分のことを「コネクター」と呼んでいる。彼の顧客のひとりは「レンタルCFO」と名乗り、1年の間にプロジェクトからプロジェクトへと渡り歩いて成果を出したことを語ったという。あなたも例えばITトラブルお助け人、新規取引先開拓者、資源問題解決人などと名乗ってみるのはいかがだろう。

4. 自分のことばかり話さない
自分の近況や最新のトピックスを話して会話の主導権を取るのではなく、相手のことを尋ねよう。どんなことに興味があるのかを把握したら、おすすめの本や興味をもちそうなイベントなどを話題にする。人脈作りでは自分がどんなことをやってきたのかを示すのが重要だと思いこんでいる人が多いが、相手が関心をもっていることや必要としているものを尋ねることがより効果的な場合も多いのだ。

5. 人脈作りのイベントには出掛けない
人が主催するイベントに参加するくらいなら自分で会を催そう。8〜10人くらいの朝食ミーティングはどうだろう? 自分自身で選んだ人たちのネットワークをつくることが大切だ。ともすればオンラインでミーティングをやりたくなるだろうが、外に出かけて顔を合わせる努力を怠らないこと。

6. 休みを取る
職探し中はナーバスになる。5回目の面接までこぎつけた挙句「今回はご縁がなかったということで」なとど言われた日にはなおさらだ。職探しが長引くと気分も落ち込む。1日就職活動を休むのもいいし、家族や友達にちょっと弱音を吐いてなぐさめてもらうのも助けになる。

7. 無職だと言わない
失業中の管理職だと自己紹介する代わりに個人の名刺を差し出そう。あなたは失業中なのではなく、次の職に就く前の状態であるということを忘れずに。

8. ヘッドハンターには頼らない
ヘッドハンターが扱っているのは求人全体のせいぜい10%程度の職でしかない。しかも彼らは企業のために働いているのであって、決してあなたのために骨を折ってくれているわけではない。あなたの履歴書が彼らのデータベースに載っていることが確認できてから話を前に進めよう。

文=スーザン・アダムス(Forbes)/ 翻訳編集=速水由美

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