今年は中国がリスト中25を占め、昨年の16から増加。5年連続でトップを取った。また最も市場価値の高い企業に選ばれたのは中国のテンセント社で、市場価値は1765億ドル(約21兆8700億円)。売上高が最大の企業は463億ドル(約5兆7400億円)を計上したレノボだ。
今回でこのリストは10周年を迎えた。10年前は日本企業が最多で12社が選出。2位のオーストラリアが10社だった。今年は日本はたった1社のみで、オーストラリアはセロである。香港も初年度のリストで5社を占めたが今年はリストから消えた。10年前、このリストを代表する業種は重工業だった。製薬・医療は1社のみだったが今年は9社存在する。2005年にリストに存在した企業で今年も残っているのはただ1社、レノボのみだ。
この10年間で最大の存在感を残した企業が2006年に初登場したインドのHDFC銀行で、同行は9回登場している。HDFCはインドの民間銀行でICICI銀行に次ぐ2番目の銀行だ。頭取のAditya Puriが一から起業し、時価総額は430億ドル(約5兆3300億円)、顧客数は約3200万人、2500都市に4000以上の支店を広げている。Aditya Puriはアジア版フォーブスの 8月号にも登場している。
中国に次いでインドは2番目に企業数が多く今年は10社だった。3位の韓国は4社だ。6年連続でリスト入りした韓国企業のNaverは今回は外れた。昨年のリスト入りした半数以上の企業が2015年には残ることができなかった。これにより23の企業が初登場し、3つの企業が1、2年の短い期間、落選した後に復帰した。
新参組の一つが韓国のShillaホテルだ。サムスン帝国の一員であるこのホテルはLee Kun-Heeの長女、Lee Boo-Jinが経営する。中国人観光客のおかげ売上は昨年30%以上増加した。この豪華ホテルチェーンは免税店の売上高が世界で7番目、韓国で2番目のポジションを手に入れている。
もう1つの新加入企業は中国のNetEaseだ。1997年にWilliam Dingにより広州にて創業した同社はオンラインゲーム、広告、Eコマース事業を行っている。5月に同社の子会社のLedeテクノロジーはHNAグループと共同でインターネット旅行業を開始することをアナウンスした。
日本からただ1社、リスト入りを果たしたのは「ディスカウントドラッグコスモス」を運営する株式会社コスモス薬品。福岡に本拠を置き657店舗を展開する同社の時価総額は28億ドル(約3469億円)。同社が本リストに登場するのは2012年の初登場に次いで二回目。時価総額は前回から65%上昇している。
「アジアの優良上場企業50社」の選考にあたってはアジア太平洋地域の1116の上場企業の中から、年次売上もしくは時価総額が30億ドル(約3720億円)以上の企業で、1年以上の期間、株式を上場している企業を抽出している。そのため昨年9月にIPOを果たしたアリババはこのリストに含まれていない。
それらの企業は売上、利益、資本収益率、株価の動向と展望を含むパフォーマンス指標にて分析される。負債の多過ぎる企業や株式の半分以上を政府が所有する企業は除かれる。選出された50の企業の中から時価総額順に上位10社をご紹介する。
1位:テンセントホールディングス(中国)
時価総額:1801億ドル
売上高:128億ドル
業種:インターネットソフトウェア・サービス
2位:タタ・コンサルタンシー・サービシズ(インド)
時価総額:763億ドル
売上高:155億ドル
業種:テクノロジー
3位:バイドゥ(中国)
時価総額:522億ドル
売上高:79億ドル
業種:インターネットソフトウェア
4位:HDFC Bank銀行(インド)
時価総額:432 億ドル
売上高:98億ドル
業種:銀行
5位:サン・ファーマ(インド)
時価総額:342億ドル
売上高:45億ドル
業種:医薬品
6位:アバゴ・テクノロジー(シンガポール)
時価総額:334億ドル
売上高:43億ドル
業種:半導体
7位:アモーレパシフィック(韓国)
時価総額:233億ドル
売上高: 37億ドル
業種:化粧品メーカー
8位:グリー・エレクトリック・アプライアンシズ(中国)
時価総額:230億ドル
売上高:227億ドル
業種:電子機器メーカー
9位:タタ・モーターズ(インド)
時価総額:214 億ドル
売上高:426億ドル
業種:自動車メーカー
10位:HCLテクノロジーズ(インド)
時価総額:205 億ドル
売上高:52億ドル
業種:情報テクノロジーサービス
※50社の全リストはこちらから閲覧可能。
http://www.forbes.com/fab50/list/#tab:overall