欧州

2024.05.02 10:00

疲弊したウクライナ軍第47旅団が死闘、ロシア軍の進撃抑える 米は補充急送

4カ月後、第47旅団は150kmかそこら東へ移動し、弾薬が枯渇してロシア軍に攻囲されつつあったアウジーウカの守備隊を増援した。今年2月、おびただしい血が流れた5カ月にわたる激戦の末、アウジーウカが陥落した際には、守備隊の撤退を掩護した。

その後、第47旅団は西へ移動し、オチェレティネの南方面を増強した。休息は先延ばしに、もしかすると無期限に先延ばしになり、旅団は現在もオチェレティネ付近で防御線を保っている。「あと1カ月で、1年間交代がないことになります」とメリニクは書いている。

第47旅団の戦闘大隊の兵士たちに関して特筆すべきは、たんに1年足らずの間に3つも大きな戦役で戦ってきただけでなく、旅団指導部の異常と言っていいレベルの混乱、不始末に耐えながらそうしてきたことだ。

ウクライナ国防省は、戦闘部隊を不必要に危険にさらす無謀な指揮判断をしたとして、第47旅団の指揮官(旅団長)を昨年9月以降3人更迭している。ウクライナ軍の部隊の動静を追っている調査分析サイト「Militaryland.net」は、第47旅団について「続投させるに値する指揮官を見つけるのに苦労している」と指摘している

第47旅団の指揮官には最近、評価の高い第56独立機械化旅団を率いていたヤン・ヤツィシン大佐が任命された。第47旅団にとって過去7カ月間で4人目の指揮官だ。ともあれ、第47旅団は事実上、休みを求めていると言っていいだろう。

第47旅団はこれまでに数百人の人員を損耗している。また、オランダのOSINT(オープンソース・インテリジェンス)分析サイト、オリックス(Oryx)の集計によれば、200両あったM2歩兵戦闘車は76両が損害を被り、うち40両は撃破されるか鹵獲されている。31両あったM1戦車も、これまでに5両失ったもようだ。

第47旅団は重量69tのM1がロシア軍のドローン(無人機)の攻撃でさらに失われるのを懸念しているらしく、最近、残っているM1をいったん前線から引き揚げている。その間に部隊長たちが戦術を練り直せるようにする狙いだろう。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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