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2024.04.19 14:00

犬はどのくらい眠るべき? 年齢や犬種別の適切な睡眠時間

荻原藤緒
米愛犬団体アメリカンケネルクラブ(AKC)も同じ見解で、牧畜、そり引き、警備などの訓練を受けた使役犬は睡眠を優先せず、仕事をこなすために警戒を怠らないと説明している。一方、愛玩犬は飼い主に抱かれて腕の中で眠ることに慣れている。

したがって、飼い主の膝の上でほとんどの時間を過ごす小型犬がアウトドア好きのシベリアンハスキーより長く寝ていたとしても、心配することはない。

とはいえ、愛犬の睡眠不足の兆候を知ることは重要だ。

睡眠不足のサイン

愛犬が睡眠不足により疲れてしまっているかどうかは、睡眠パターンと行動の変化からわかる。

・無気力:いつもは元気なのに、疲れている様子や元気のなさが見られる場合は、十分な休息をとれていない可能性がある

・睡眠中に激しく一定の動きをする:わずかに痙攣したりピクピク動いたりするのは、愛犬がレム睡眠をしっかりとっている証拠だ。しかし、それが長く続く場合は、レム睡眠行動障害の可能性があるので獣医師に相談しよう

・攻撃的になる: 十分な睡眠がとれていないと、性格が変わったり、イライラしたりすることがある

・めまいや錯乱:睡眠は学習能力や健康的な記憶を促進する働きがあるため、不足すると錯乱状態に陥ることがある

・極度の喉の渇き:十分な睡眠がとれていない場合、コルチゾール値が上昇し、副腎皮質機能亢進症を引き起こす恐れがある

愛犬にこうした症状や行動が見られ、それが長期間続く場合は、獣医に相談して専門的な助言を得ることが必要だ。

愛犬の睡眠を改善するには

・獣医師に相談する:まず、愛犬の症状について獣医師に相談することだ。適切な解決策を提案してくれるだろう

・犬種のニーズを知る:使役犬など、犬種によっては、疲れを感じるまでに他の犬種よりも多くの活動を必要とする。愛犬を定期的に散歩に連れ出して運動させたり、頭を使うような遊びを取り入れたりすると効果的だ

・リラックスできる環境をつくる:せわしない環境がもたらすストレスや過度の刺激は、ペットの睡眠の質に影響する。睡眠に適した快適な空間をつくってあげよう。ケージに覆いをかけて安眠を妨げる光を遮ったり、ホワイトノイズマシンで雑音をかき消したりする工夫も検討しよう

・規則正しい生活を送る:人間も犬も、規則正しい睡眠習慣が大切だ。寝る前にトイレに行かせたり、抱っこなどでリラックスさせたりして、愛犬がぐっすり眠れるよう準備しよう

愛犬と一緒のベッドで寝るべきか?

結局のところ、飼い主と愛犬の睡眠習慣が守られるか、互いに必要なスペースをしっかり確保できるかによる。研究によると、動物と一緒にいるとストレスや不安が和らぎ、互いにより快適に感じられるようになる。とはいえ、アレルギー体質だったり、小さなマットレスで大型犬と一緒に寝ていたりすると、愛犬との添い寝が睡眠障害につながり、どちらも必要な休息がとれなくなる恐れがあるので注意しよう。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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