「眠れる巨人」ラテンアメリカ、循環経済への投資に勢い 4つの兆候

荻原藤緒
1986

3. 企業の積極参入

プラスチック廃棄物問題の解決に利害関係がある企業は、いち早く取り組みに参入し大規模な投資を行う傾向にある。南アジア・東南アジアでの前例に照らすと、同様の機運がラテンアメリカでも高まっている点は心強い。

環境NPOのDelterra(デルテラ)は最近、包装資材メーカーのアムコア、食品大手マース、消費財大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)と提携し、グローバルサウスにおけるプラスチック汚染低減を目指す600万ドル(約9億円)規模の戦略的アライアンスを立ち上げた。取り組みの主眼はアルゼンチン、ブラジル、インドネシアに置いている。

この発表と同時期に、筆者がCEOを務める投資会社サーキュレート・キャピタルも、中南米でプラスチック汚染対策を推進する6500万ドル(約98億円)規模のイニシアチブを、米州開発銀行のイノベーション研究所であるIDB Lab、ビルダーズビジョン、シェブロン・フィリップス・ケミカル、ダノン、ダウ、モンデリーズ・インターナショナル、ユニリーバと共同創設している。

4. ラテンアメリカは前途有望な機会に満ちている

なぜ断言できるかというと、われわれはラテンアメリカ13カ国とカリブ海諸国9カ国を調査し、プラスチック循環経済に関わる300社以上のレビューを実施したからだ。

この地域には市場ベースの有力なソリューションがあり、プラスチック廃棄物のバリューチェーン全体(回収、分別、リサイクルなど)の活動を統合するだけでなく、プラスチック汚染の大規模な抑制を実現し、プラスチック産業に携わる人々の労働条件や生活を改善するといった、すばらしい可能性を秘めている。

地元や地域、そして究極的には世界のリサイクル・サプライチェーンを構築し、ラテンアメリカの真価を解き放つことができる企業に、投資マネーが流れ込む時がようやく来たという見通しに胸が躍る。

ラテンアメリカは準備万端であり、目が離せない。

forbes.com 原文

翻訳=的場知之/ガリレオ

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