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2024.04.02 13:30

大転換期のモビリティ業界を支えるプラットフォーマーへ

Forbes JAPAN編集部
加藤:ライドセルは私にとってWoven Capitalで2件目の投資先ですが、実はコロナ禍の影響で出資前にリアルな場でお会いできず、当初は多少の不安もありました。今はしっかりと新しい契約を取れたり、既存顧客との取引が拡大したりしていて、ホッとしています。

Woven Capital では、「ポートフォリオサクセスチーム」という投資後のサポート専属チームがあるのですが、彼らがライドセルとトヨタとの協業を強固に推し進めてくれていて、サブスクリプション「KINTO」のサービス基盤としても海外で利用が広がっていてうれしいですね。

トリヴェディ:22年10月に日本で外国人の渡航制限が解除されて、初めて本当の意味でお会いできたときはすごくうれしかったですよ。私たちが築いてきた信頼は本物だったんだと実感できました。私は優れたリーダーでありたいと思っていますが、自分に足りないものは必ずあり、そこを補ってくださる道子さんのチームのサポートはとてもありがたい。

加藤:業界の変化は加速していて、最初に投資した時は、コネクティビティやシェアリングが大きな話題でしたが、今はバッテリーEVの充電なども大きなイシューになっていて、複雑性が増せばそのぶんだけ、包括的に管理できる価値は高まると思っています。難易度も高いけれども、将来、真のプラットフォーマーになることを期待しています。

トリヴェディ:この業界で鍵となるのは、持続可能性、安全性、収益性だと思います。個々のテクノロジーが進化し、フリート事業者のソリューションのかたちが変わっていくことはあるでしょうが、この3点の重要さは変わらない。私たちは、そこに対して迅速に動きながらも長期的な視点でやり続けることで、よりよい価値を提供していきます。


かとう・みちこ◎Woven Capital パートナー。モルガン・スタンレー証券、世界銀行IFCを経てハーバード・ビジネス・スクールMBA取得。ユニゾン・キャピタル、ABEJAの取締役CFOを務めた後、2020年にWoven Capitalへ参画。

アージャブ・トリヴェディ◎ライドセル創業者兼CEO。インド出身。米国ジョージア工科大学で機械学習を学ぶ。情報セキュリティ企業を経て、2009年にサンフランシスコを本拠としてライドセル創業。クラウド型の車両管理プラットフォームを提供。

文=眞鍋 武 写真=平岩 享

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年4月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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