ヘルスケア

2024.03.26 13:00

全世界で進む「高齢化」 各国で対策を共有する動きも活発に

安井克至
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ソーシャル・プレスクライビングUSAの共同創設者で、メディカルディレクターのアラン・シーゲルは「社会的処方により、実に多様な治癒の様式が加わる。例えば、創作活動を始めてみる、自然の中で過ごす、ボランティア活動、地域社会のグループに参加するといった活動があり、そのすべてに、(効果を立証する)すばらしいエビデンスがある」と語る。

家庭医で、Contra Costa Health Services(コントラ・コスタ・ヘルスサービス)の保健・治療術ディレクターでもあるシーゲル氏は「あらゆるツールを駆使することで、医療の実践方法や、患者が治癒に至る過程が一変するだろう」と述べ、さらにこう続けた。「この手法は、患者の個性に合った、本当の意味での治癒につながる選択肢を提供することで、医療機関にとっても有益なことが立証されている」

新しい治療法、特に確実な実績を持つものを採用することは、常に検討に値する。なぜなら、医療において肝心なのは、あらゆる人の人間性を尊重し、1人1人の人生をより良いものにすることだからだ。

「世界的な高齢化」の未来は好転しそうだ。AARPのアイアンガー博士は「私は、世界的な高齢化の捉え方に、さらなる進化を見ている」と語る。「人口動態面での問題として見られていたものが、国家安全保障や競争力に関わるものと捉えられるようになると私は確信している」

まずは、手を付けられるところから始めなければならない。2023年10月に開催された「AARP Global Thought Leadership Conference」のように、高齢化について議論するグローバルなコミュニティに属する人たちを集めることも、議論をスタートさせ、高齢化というメガトレンドに対応するのに有効だろう。

低所得国および中所得国でも高齢者の数が増えることが予想されており、これらの国々も議論のテーブルにつく必要がある。

人口高齢化に伴って生じる課題や機会に対応するには、医療サービス提供者、地域社会、政府、家庭、友人などが協調して高齢者をサポートする取り組みが必須になるはずだ。

forbes.com 原文

翻訳=長谷 睦/ガリレオ

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