D&I

2024.03.22

多様性は、恐れではなく希望。国際同性結婚をした西村宏堂カップルが語る「なれそめ」

「超多様性トークショー!なれそめ」(NHK)に出演した西村宏堂さん、フアンさん

近年、「多様性」という言葉をよく聞くようになった。しかし実際のところ、私たちはどこまで多様性を認め合い、尊重することができているだろうか。

多様性とひと口に言っても、性別や国籍の違い、障がいの有無、LGBTQなど、あらゆるバックグラウンドがある。そうした他人と自分との違いを尊重し合えるようになるには、多様な人やその人生を知ることも大切だろう。

「メイクアップアーティスト」と「僧侶」の肩書きを持ち、さらにLGBTQの当事者として講演活動なども行う西村宏堂は、2023年9月にコロンビア人の男性パートナーと“結婚”した。

同性婚が認められているコロンビアで結婚の手続きを行い、未だ同性婚が認められていない日本では、港区が施行するパートナーシップ制度である「みなとマリアージュ制度」に登録したという。

4月に田村淳がMCを務めるNHKの番組「超多様性トークショー!なれそめ」に出演する2人が、“結婚”という選択をした理由や結婚生活についてForbes JAPANに語ってくれた。

出会いは、旅行先のスペイン

西村は2022年5月、スペイン旅行中にパートナーのフアンに出会った。その日、西村は一人でバルのカウンターで食事をしていた。そしてたまたま隣の席に座ったのが、同じく旅行でスペインを訪れていたフアンだった。

当時パートナーが欲しいと思っていた西村は、友人のアドバイスを受けて気になる人に積極的に話しかける練習をし始めたところだった。そこで、勇気を出してフアンに話しかけてみると、コロンビアで若者向けに啓発活動を行っていることなど共通点が見つかり、どんどん話が盛り上がった。

「彼は考えるのが好きな人で。『男女平等は人類が滅びる前に解決されると思うか?』といった質問をされて。私もそうしたことを考えるのが好きだったので、話が尽きませんでした」(西村)

一方で、フアンも初対面で西村に「ピュアできれいなオーラを持った人だ」と好印象を抱き、興味を持った。

そして旅行の最終日に、関係を続けることを約束する。その2カ月後の7月に、コロンビアで3週間を一緒に過ごし、9月からはロンドンで3カ月半にわたって同棲。時間を共にする中で、ますます関係を深めていった。
次ページ > 出会った瞬間に「運命」を感じる

文=三ツ井香菜 画像提供=NHK

ForbesBrandVoice

人気記事