S&P500に採用されたAIサーバー企業、スーパーマイクロの株価が6%急落

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S&P500種指数に採用されたばかりのSuperMicro(スーパーマイクロコンピューター)の株価は、3月18日の市場で6%以上も急落し、終値は1日以来の安値を記録した。

人工知能(AI)向けのサーバーを製造する同社の株価は、1日にS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが同社をS&P500に加えると発表して以降に上昇していたが、18日の市場でその上昇分を帳消しにする約1000ドルに沈んだ。

ファクトセットのデータによると、スーパーマイクロの株価は18日の市場のS&P500値下がり率ランキングで断トツの1位を記録した。同社の株価の下落は、ナスダック総合指数が1%近く上昇し、アルファベットやパランティアのようなAI関連銘柄が2%以上上昇した日に発生した。

しかし、18日の急落にもかかわらず、スーパーマイクロの投資家はほとんど文句をいう理由がない。同社株の年初来のリターンは250%で、ここ1年のリターンは940%となっており、同期間のS&Pの新規銘柄のリターンを軽々と凌駕している。

S&Pのようなインデックスへの組み入れが発表された直後の企業の株価は、投資家にとって魅力的なターゲットとなるため、上昇するのが一般的だ。2007年に1株約8ドルで上場したスーパーマイクロは、サンノゼを拠点とする比較的地味な企業だったが、生成AIサービスを実行するためのデータサーバーの中で支配的な地位を享受していることから、ここ数カ月でAI関連の注目銘柄として浮上した。

スーパーマイクロの利益と売上高は直近の四半期の年間ベースで倍増し、時価総額は2022年末の約40億ドルから18日時点で約550億ドル(約8兆3000億円)まで急増している。同じく18日にS&Pに加わった靴の卸売業者デッカーズの株価は約0.1%上昇し、1日の価格を約1%上回った。

ルプル・バッタチャリヤ率いるバンク・オブ・アメリカのアナリストは、AIサーバー市場が昨年の390億ドルから2027年までに2000億ドルへと爆発的に拡大すると予測している。同社は、最近の顧客向けメモで「スーパーマイクロは、成長するAIサーバー市場で.競争上の優位性を享受している」と述べた。バンク・オブ・アメリカは、同社の目標株価を現状を30%近く上回る1280ドルとしている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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