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2024.01.19 18:00

Chromeのシークレットモード、利用者が考えるほど「プライベートを守る」ものではない

安井克至
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しかし、Chromeの成功が示しているのは、セキュリティやプライバシーに関心のある人なら想定するはずのレベルよりも、ユーザーはウェブサイトのトラッキングに対してはるかに無頓着であるということだ。そして、計画よりもずっと遅れたとしても、Chromeのウェブページの裏に隠された厄介な小さなCookieを始末し始めたことでも、グーグルは称賛されるべきだ。

訴訟を恐れて透明性を高めたり、あるいはアップルのプライバシーラベル(ユーザーがApp Storeでアプリをダウンロードする前に、アプリのプライバシー方針を確認できるようにするもの)やアプリ追跡の透明性(アプリが収集するデータを確認させる)推進の動きにならって、透明性を向上させるのが将来的な方向性だとすれば、それは望ましいことだ。そして、この透明性強化の流れは、最近のアップデートでゲームに対してプライバシーとトラッキング対策を強化しているAndroid(アンドロイド)にも見られる。

アップルがアプリの世界で行ってきたように、この動きがユーザーによりオープンな選択肢を提供することが期待される。これには、フェイスブックやインスタグラムのようなアプリ経由で行われている埋め込みブラウザによる隠れたトラッキングも含まれる(これらは主流のブラウザと同じ制限を受けていない)。

このプレリリース版の警告が実際に世に出るかどうかは、今後数週間でわかるだろう。その間、Chromeを使用しているなら、シークレットモードを有効にし、サードパーティのトラッキングをブロックすることをおすすめする。少なくとも、それによりプライバシーが多少なりとも向上する。

グーグルは訴訟を弁護する中で、このトラッキングの文脈はユーザーによって理解され、明確にされていたと主張していた。しかし、裁判所の見解は異なっていた。したがって、今月中に提出される予定の和解案を待つことになる。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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