AI

2023.12.27 12:00

社内情報が「ググれる」ように 元グーグルエンジニアが描く職場の未来

遠藤宗生
1918
グーグルは1999~2000年頃にエンタープライズサーチ製品を開発したが、うまく機能しなかった。「当時、社内では、世界中の人々がインターネットで簡単に検索できるようにしたのに、自分たちが社内データを検索することに苦労している、とジョークを言い合っていた」とジェインは言う。

トランスフォーマの開発によるブレークスルーから2年後、ジェインはGleanを共同創業した。「当初は、誰もわれわれが作っているものに関心がなかった」と彼は言う。Gleanが製品を一般公開した2021年は、新型コロナウイルスの流行によって在宅勤務への移行を容易にする技術へのニーズが高まっており、Gleanもその恩恵を受けていた。他のソフトウエア企業を中心に、約40社がアーリーアダプターとして同社の製品を利用した。

誰もが専任のアシスタントを持てる

ジェインによると、昨年11月のChatGPTの登場によってGleanは一気に「主流」になり、世界最大級のヘッジファンドやホスピタリティ業界大手(機密保持契約により社名は明かせないという)など、テック業界以外の企業も同社の製品を利用するようになった。Gleanは、初期バージョンのAIモデルを組み込んでおり、ゼロから開発する競合他社に比べて有利なスタートを切ることができた。

「多くの製品が開発され、素晴らしいデモが行われているが、それらは全てOpenAIのGPT-4やグーグルのBardなどの基礎モデルの上に構築されている。人々は、これらの製品から得られるものが少ないことを理解し始めている」とジェインは話す。

ジェインは、AIを業務に組み込む方法を検討している企業は、焦らずじっくり取り組むべきだと指摘。AIツールを選択する上で、実際の人間の役割を担えるか否かが1つの鍵になる語っている。

「今はCEOや重役にしかアシスタントはついていないが、将来的には誰でもアシスタントを持てるようになるだろう」

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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