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2023.12.08 10:30

TikTokで5.7億回再生、「ひき肉です」がミーム化でバズり続ける理由

石井節子

「ひき肉です」は、中学生6人組のYouTuber「ちょんまげ小僧」のメンバーであるひき肉のあいさつ・自己紹介フレーズだ。

ウェブ解析士協会が発表した2023年7~9月期「SNS流行語ランキング」で、「ひき肉です」が第3位に輝いた。年末の風物詩である現代用語の基礎知識選「2023ユーキャン新語・流行語大賞」でも、ノミネート30語の1つに選ばれている。「#ひき肉です」とハッシュタグを付けてTikTokに投稿された動画の合計視聴回数は、5億7000万回(2023年11月17日現在)だというから驚きだ。なぜこんなにもバズったのか、その理由を解明していく。

「ひき肉です」とはそもそも何か

「ひき肉です」は、中学生6人組のYouTuber「ちょんまげ小僧」のメンバーであるひき肉のあいさつ・自己紹介フレーズだ。裏声が混ざったような声と妙にクセになるイントネーション、勢いのよさ、頭を下げて両手を大きく広げるポーズなどが注目され、TikTokやXでこのフレーズを使った投稿がブームとなった。

「ちょんまげ小僧」自体も、ブームの波に乗って急成長している。2022年12月にYouTubeチャンネル「ちょんまげ小僧」が開設されたものの、当初はチャンネル登録者数が伸び悩んでいた。ところが、2023年7月にTikTokを開始して「ひき肉です」がバズると、チャンネル登録者数が急増して7月中旬には1000人を突破、そこからわずか1カ月ほどで100万人を超え、11月17日時点で153万人を獲得している。まさに破竹の勢いで、人気チャンネルへと駆け上がったといえるだろう。

「ひき肉です」がバズったメカニズム

では、なぜ「ひき肉です」がここまでの流行を巻き起こしたのだろうか。そこには、SNS時代ならではのメカニズムが存在する。

TikTokやXへの投稿は模倣やオマージュも多い。「ひき肉です」も注目をされるにつけ、「ひき肉です」をオマージュした投稿や、「ひき肉です」をサンプリングした楽曲などが登場するようになった。なかでも、8月中旬に「ひき肉です」をサンプリングした音MAD(既存の音声や動画などを編集・合成した二次創作物)である「ひき肉が覚醒したときに流れるやつ」が投稿されたことが、「ひき肉です」の人気を決定づける。

この音MADに合わせて踊る動画が数多く投稿されるようになり、次第に現在「ひき肉ダンス」と呼ばれているダンスが確立されていったのだ。ちなみに、セブン&アイ・ホールディングスのプライベートブランドであるセブンプレミアムの公式TikTokも、この音源をBGMに、「豚肉です!!」として「金の豚角煮」をアピールする動画をあげている。

Getty Images

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芸能人やスポーツ選手を介して流行はさらに拡散

「ひき肉です」の流行は、芸能人、インフルエンサー、スポーツ選手にも広がっていった。数多くのCMに出演するなど大ブレイク中の「あのちゃん」ことあのは、ラジオで「ひき肉です」を連発、TikTokにも「ひき肉ダンス」を投稿している。その他、NiziUのRIO、RIKU、MIIHIが「ひき肉ダンス」動画を投稿したり、兄弟ユニットのもーりーしゅーとや兄妹YouTuberの中町兄妹が東京ガールズコレクションのランウェイで「ひき肉です」ポーズをキメたりと、多くの芸能人やインフルエンサーが「ひき肉です」を披露してきた。
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文=アステル 編集=石井節子

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