2023.11.24 13:30

9人のシェフが国宝松本城に集結　二夜限りの特別な宴の狙い

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鈴木奈央

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4月にプロジェクトを始動し、旗振り役を担った扉ホールディングスの齊藤忠政オーナーは、「コロナ禍でサステナビリティや地域に注目が集まりましたが、ルレ・エ・シャトーは2009年から取り組んでいます。今回、城の力を使って信州・長野の里山文化、豊かな食文化を発信したいと考えました」と振り返る。

日頃から情報共有がされているシェフたちとの連携はスムーズだった一方、「これまでに何度かあった取り壊しの危機を、市民のお金で守ってきた経緯のある松本城では、地元との調整が大変だった」と明かす。イベント収益の一部は、松本城の維持・修復費用に寄付される形で循環する。

扉温泉明神館にあるレストランからの眺め。長野の山はすでに色づき始めていた（筆者撮影）

これまで閉じていた場所の発掘や活用、さまざまな連携によるアプローチは労力もかかるが、独自性や新規性の開拓においては今後ますます求められる動きとなる。各地で行われた「観光再始動プロジェクト」がそこで完結することなく、各所の学びが横展開されていくことも、日本全体として価値を高めていく鍵になるのだろう。

文＝鈴木奈央

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