海外

2023.11.16

東南アジアのEコマース業界の水先案内人、Etailyが1800万ドルを調達

(写真中央)アレクサンダー・フリードフ(C)Etaily

東南アジアのEコマース市場は、2026年までに年間売上高が2300億ドル(約35兆円)に達すると予想されており、各国のブランドは、非常に大きなビジネスチャンスを期待できる。しかし、この市場への進出を目指すブランドは、プロダクトの認証から物流パートナーとの取引に至るまで、現地でのやりとりをサポートするイネーブラー(enabler)の手を借りる必要がある。

フィリピンに本社を置くEtaily (イーテイリー)は、Eコマースのスペシャリストして、ブランドの東南アジアへの進出を支援するイネーブラーとして自らを売り込んでいる。2025年までに年間売上高1億ドルの達成を目標に掲げる同社は11月13日、シリーズAラウンドで1775万ドルを調達したとアナウンスした。

2020年に設立されたばかりのイーテイリーは、すでにクロックスやリーバイス、スケッチャーズなどの大手との契約を獲得している。

「インターネットの普及率が高く、若い消費者が非常に多い東南アジアは、魅力的な市場ではあるが、同時にこの地域固有の課題があることをブランドは認識している」と、イーテイリーの創業者でCEOのドイツ人起業家のアレクサンダー・フリードフは語る。

イーテイリーは、これらのブランドの東南アジアにおけるEコマースを支援するエンド・ツー・エンドのソリューションを提供している。同社は、ブランドのこの市場におけるオンラインでのプレゼンスの確立から、プロダクトの流通まで、すべてを支援するプラットフォームを構築した。同社のソリューションは、サードパーティのEコマースプラットフォームとブランド独自のサイトの両方に対応し、オフラインの小売店舗とも連携できる

「当社のエコシステムは、ライフスタイル商品の開発から、ブランディングさらには配送まで、カスタマージャーニー全体をカバーする」とフリードフは述べている。

イーテイリーのシリーズAは、中国と台湾に拠点を置くSKSキャピタルとシンガポールのパビリオン・キャピタルが主導した。さらに、フィリピンのマグサイサイ・ファミリーや、ゴコンウェイ・インベストメント、日本のSBIホールディングスがフィリピンの金融グループInvestment & Capital Corporation of the Philippinesと共同運用する投資ファンドのSBI ICCPファンドらも参加している。

また、既存の出資元としてはフィリピン最古のコングロマリットであるアヤラ・コーポレーションや、消費財メーカーのセンチュリー・パシフィック、百貨店チェーンのランドマーク・フィリピンなどが挙げられる。

東南アジアのデジタル消費者は4億人突破へ

世界銀行によると、フィリピンは今年、この地域で最も経済成長率の高い国になると予想されており、東南アジア全体では、デジタル消費者の数が現在の3億7000万人から2027年までに4億200万人に増加するとベイン・アンド・カンパニーは予測している。

SKSの創業者のジャック・チェンは、イーテイリーがこのトレンドを利用するのに適していると考えている。「イーテイリーのビジネスは、先進的なオムニチャネルやテクノロジーをブランド運営に取り入れる大きな可能性を秘めている」と、チェンは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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