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アメリカ人にとって本当の「国産車」とはどのクルマなのだろう。Cars.comの調査によれば多くのアメリカ人は国産車を買いたいと思っているのだが、それならばトヨタのカムリを買うべきだという結果が出た。トヨタのフラッグシップセダンであるカムリはフォードのピックアップトラック以上に「国産」パーツを使用し、Cars.comの「アメリカ国産指数」でトップにランクインしている。

「アメリカ国産指数」というのは米国産のパーツ使用率、生産場所、販売台数の3要素で決定される。従って、アメリカで生産され、かつ販売台数も大きい自動車が、米国ブランドのニッチモデル以上に「国産車」と定義されることになる。

この定義に従えばトヨタの2モデル(ケンタッキー州で生産されたカムリとインディアナ州で生産されたシエナ・ミニバン)が、1位2位を占めることになる。フォードのベストセラーであるピックアップトラックは、2015年モデルの国産パーツ使用率が70%以下のため、「国産」のカテゴリーにすら入らないのだ。

当然ながら、トヨタは同結果に満足している。北米トヨタCEOのジム・レンツは「これらの結果はトヨタの北米における継続的投資と成長の証です」と述べている。

Cars.comのパトリック・オルセン編集長によれば、自動車業界の「アメリカ国産指数」は、過去最低水準になっているという。「最低でも75%の国産パーツを使用する」という同基準を満たす車は5年前には29台だったが、今年は僅か7台のみ。国産パーツ使用率が落ち込んだのは、自動車産業のグローバル化が進んだためで、近年ではメキシコ産のパーツが使用されるケースも多い。

Cars.comの調査によれば、近年の米国人はアメリカ製のクルマを買うことに、これまでに無いこだわりを見せている。アンケートでは28%の米国人が「新車購入時はアメリカの自動車メーカーから買いたい」と答えているのだ。しかし、「米国製自動車」の定義は、近年ますます難しくなっている。下記にCars.comが認定する「米国産車」7台を挙げる。
  
  
1.トヨタ・カムリ
Cars.comはカムリをアメリカ「国産車」ランキングの1位にした。カムリはケンタッキー州ジョージタウンにある従業員7,500名のトヨタ工場で製造されている。

2.トヨタ・シエナ
トヨタのミニバンはインディアナ州プリンストンの工場で組み立てを行っている。同工場は5,000名規模で、セコイア、SUV(スポーツ型多目的車)のハイランダーを製造している。トヨタはハイランダー増産に向け1億ドルを投資し、2016年夏までに300人の新規雇用を創出予定。

3.シボレー・トラバース
米国ブランドでトップに立ったのはシボレートラバース。製造はミシガン州のランシングで行われていて、GMのフルサイズのクロスオーバー車トリオの中では。同車がベストセラーとなっている。

4. ホンダ・オデッセイ
ホンダのミニバンはアラバマ州リンカーンで製造されている。ホンダは北米に4工場を有し、5つ目の工場でまもなくアクラNSXスーパーカーの製造を開始予定。ホンダは戦略上、製造は顧客に近いところで行うとしており、2014年にはアメリカ販売車の97%超は北米産だった。

5. GMC・アカディア
アカディアはGMのフルサイズのクロスオーバー車トリオの一角で、ミシガン州ランシング工場で生産されている。同工場はGMでは最も新しく、2006年に製造を開始、3,500名規模。

6. ビュイック・アンクレイブ
アンクレイブもトラバースとともに、ミシガン州ランシングで生産されている。ラグジュアリー感を高め、より高級車を求める層をターゲットとしている。同車は国産のパーツを75%使用している。

7. シボレー・コルベット
7代目のコルベットはケンタッキー州ボーリンググリーンにて生産。国産パーツを75%使用している。アメリカを代表する同車は本当の意味で「アメリカ国産」のスポーツカーといえるかもしれない。

文 =ジョアン・ミュール(Forbes) / 編集=上田裕資

 

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