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2023.09.21 09:00

生成AI導入のラストワンマイルを助けるWriter、148億円調達

安井克至
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Writerは、1億2800万パラメータから430億パラメータまで、異なるサイズの14のモデル群を提供する。これは、約1兆パラメータを持つと伝えられるOpenAIのGPT-4のサイズよりはるかに小さい。Palmyraと呼ばれるこれらのモデルは、ウェブページ、書籍、ウィキペディア、Github、YouTubeの書き起こし動画コンテンツなどのソースから得られた公開データで学習された。公開されたデータは、著作権で保護されたコンテンツを削除するためのフィルタリングが行われているとハビブはいう。

各企業は、それぞれの財務報告書やマーケティング資料など、企業固有の独自データに基づいて訓練されたファインチューニング済みモデルを入手する。また、米国のHIPAA(医療保険の携行性と責任に関する法律)や欧州のGDPR(EU一般データ保護規則)など、ほとんどのプライバシーおよびセキュリティ基準に準拠している。

直近では、7月にPubMedQAのような公開医療データセット(質問と回答や論文を含む)に学習させたPalmyraMedを医療アプリケーション向けにリリースした。ハビブによれば、Writerの小規模なファインチューニングモデルは、他の大規模な言語モデルの100分の1のコストで学習可能で、より高速に特定のタスクを実行するように設計されているという。

「企業が直面する課題は、手持ちの膨大なデータを使って優れたLLMをファインチューニングし、あらゆる問題を解決できるモデルを考え出すことです」と彼女はいう。「企業が助けを必要としているのはチューニング、データ準備、現在のワークフローへの統合といった、まさにラストワンマイルの部分なのです」

ハビブは、Writerの主なセールスポイントは、従業員が使用するツール(セールスフォースやアドビ)との統合であり、アプリはGoogle Chrome、Figma、Googleドキュメント、Canva、Microsoft Word、Outlookなどのワークスペースに埋め込むことができると述べている。そして、Writerのプラグインや拡張機能をインストールすることでコンテンツに自動的に提案をマークアップできる。「チャットそのものの新鮮味は失われてきました」と彼女はいう。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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